「まあああ!ロリコン!....貴方って、ロリコンだったのねええ!」
その視線は、そう云っていた。少なくともビエール・トンミー氏には、そう聞こえた。
視線が口をきく、というのも妙であるが、ビエール・トンミー氏の聴覚はそう捉えたのだから仕方がない。
「(ん?…誰だ?...今度は誰だ?)」
「まあ、貴方のは『Cock Do?』だったのねええ。貴方っていう男は!」
「(え?ええ?……)」
「しかも、中学生の女の子で、なんて!この変態!ロリコン!」
「(いや、確かにボクは変態だが、ロリコンでは….)」
「惚けるのもいい加減になさい!実際、膨らんでるじゃないの!ホント、『Cockは口ほどにモノを云い』だわ」
「(いや、この膨らみは…..)」
「母親の方に色目を使っているのかと思ってたら、まさか中学生に、だなんて!」
「(いや、だから、この膨らみは、『ユキ』ちゃんではなく、それから『有紀』さんでもなく、さっき妻が….)」
「言い訳するなんて、最低だわ!こちらから見てたのよ、貴方が『ユキ』ちゃんの方に物欲しそうに視線を向けるのを!」
「(え?こちらから?)」
ビエール・トンミー氏は、反対側の横を向いた。その瞬間、
「ふん!」
とこちらを睨み返す恰幅のいい女性がいた。
「(『松坂慶子』…….)」
いや、『松坂慶子』に酷似したアノ女性であった。そして、その女性の視線は、やや下に落ちた。
「(ハッ!)」
ビエール・トンミー氏は、慌ててエプロンの膨らみを両手で隠した。
「ロリコン男めえ」
「(いや、ボクは若い娘が好きだが、中学生には興味はない……)」
「若けりゃいいってものじゃないでしょ)」
「(え?.....ええ?)」
ビエール・トンミー氏は、思わず、『松坂慶子』を、いや『松坂慶子』に酷似した女性を見返した。
「ま!....」
(続く)
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