(【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その77]の続き)
「あれって、そんないい匂いだったかなあ?」
『ユキ』と呼ばれた少女が、iPhone越しの視線で異を唱えた。
「薬っぽい気がするんだけど」
『フェブリナナノアクア 炭酸ジェルパック』の香りは、やや薬っぽいと云えば薬っぽい。
「聞こえていないの?」
そうだ、ビエール・トンミー氏には、『ユキ』と呼ばれた少女のリアルではない『声』は聞こえなくなっていた。まさに、『有紀』さんの匂いに酔っていたのだ。
「まあ、ママって、体臭もステキだからねえ」
ビエール・トンミー氏が酔ってしまった香りは、『フェブリナナノアクア 炭酸ジェルパック』ではなく、『有紀』さんの体臭であったかもしれない。
或いは、『フェブリナナノアクア 炭酸ジェルパック』の匂いと『有紀』さんの体臭とが入り混じった香りであったのかもしれなかった。
「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」
しかし、いずれにせよ、ビエール・トンミー氏の股間は、『風が運んできた花の匂い』のような香りに『反応』してしまっていたのだ。
(続く)
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