「アータ、タテて」
妻の声が聞こえ、ビエール・トンミー氏は、我を取り戻した。
「(タテて?.....いや、もう勃っている)」
ビエール・トンミー氏は、惚けた反応をしてしまったが、幸いにも氏の心の声は、妻には聞こえなかったようであった。
「アータ、『Cook Do®️』のパッケージよ」
体の前に掲げていた『Cook Do®️』<回鍋肉用>のパッケージを拡大したものが、斜めになっていたのだ。下の方が前に突き出していた。
「あ?....ああ」
股間の『異変』を隠す為に、『Cook Do®️』<回鍋肉用>のパッケージを拡大したものを斜めにしてしまっていた。
「アータがちゃんとしたないと、いつまで経っても『ユキ』ちゃんが、写真撮れないわよ」
そうだ、ビエール・トンミー氏が、『ユキ』と呼ばれた少女の母親にして、『内田有紀』に酷似した女性と写真を撮るべく腕を組んで並んでどのくらい時間が経ったのか分らなくなっていた。
密かに『好意』抱く女性と並んで写真を取ることで、股間に『異変』が生じ、更に、腕を組んで取ることで、『異変』の度合いが増した。
そして、組んだ腕にどうやらその女性の柔らかい横○○が触れらしきことで、『異変』は『大異変』となったが、『フェブリナナノアクア 炭酸ジェルパック』の香りで(実は、そこにその女性の体臭も混じっていたかもしれないが)、『異変』は爆発しそうになっていたのだ。
股間に生じたその『異変』のせいで時間がどのくらい経過したのか、分らなくなっていた。
「(ああ、でも、この時が永遠に続いてもいい…….)」
と、ビエール・トンミー氏は、未だ眼も虚ろであった、その時であった。
(続く)
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