2019年1月25日金曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その91]




【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その90]の続き)



「アータ、知ってるんでしょ?」

マダム・トンミーには分っていたのだ。夫が、ホイコーローは、どうして『回る鍋の肉』って書くのか知っていることを。

「アータって、なんでも知ってるんだもの」

そうだ。ビエール・トンミー氏は、博識であった。

「アタシ、最初はアータが物凄い物知りなところに惹かれたんだもの」

そう云いながら、マダム・トンミーは、頬をピンクに染めた。

「勿論、アータ、社内一のハンサムだったけど、アタシ、面食いじゃないし」



と云ったものの、マダム・トンミーは、自身が嘘をついていることを知っていた。物凄い物知りなところに惹かれたのは、確かであったが、その前に、ビエール・トンミー氏の容姿に参ってしまったのだ。

「でも、付き合うようになってみたら、アータ、インテリだけど、ソノ時は、すっごいワイルドになるんだもの。でも、そんなところも素敵だったわ。…..あら、ま、アタシったら」

マダム・トンミーは、自分の吐いた言葉で自身の股間に『異変』を生じさせたが、男である夫とは違い、その『異変』は他人に悟られることはなかった。


(続く)



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