「お似合いだね」
それは、ビエール・トンミー氏と自分の母親のツー・ショットを撮った『ユキ』と呼ばれた少女のリアルな声であった。
「まあ、何を云うの、この子ったら」
『内田有紀』に酷似した女性は、顔を『味の素』色のように真っ赤にして、娘を叱った。
「奥様は、ウチの人の好みですもの」
マダム・トンミーが、嫉妬した様子でもなく、そう云った。
「(分っていたのか…..スマン)」
ビエール・トンミー氏は、声にならない『声』で妻に謝罪した。股間の『異変』も失せていた。
「(ああ、ボクは妻を愛している。『異変』はもうない)」
しかし、それを許さぬ存在があった。
(続く)
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