「『ユキ』ちゃん、今度は、おばちゃまをお願いね」
しばらく存在が消えていた『松坂慶子』に酷似した女性であった。
「ご主人、私ともお願いしますわ」
「え!?え、え、ええ!」
『松坂慶子』に酷似した女性は、ビエール・トンミー氏に、今度は、自分とツー・ショット写真を取らせろ、と云うのだ。
「あら、お嫌かしら、こんなおばあちゃん」
「いや…..」
「あーら、やはりお嫌なのねえ」
「いえ、そういう意味では…..」
「じゃあ、およろしいのね?」
「アータ、モテモテね。光栄じゃないの」
マダム・トンミーが嬉しそうに口を挟んだ。
「じゃ、並んで」
と云う『ユキ』と呼ばれた少女の言葉を待つまでもなく、『松坂慶子』に酷似した女性は、ビエール・トンミー氏に身を寄せてきていた。
(続く)
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