(住込み浪人[その105]の続き)
「今回の芸能人チームのスペシャル・サポーターは、さあ、この青年です!」
EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』の司会の一人、お笑い芸人のナンカイノー・アメカイノーに促され、そして、アシスタント・ディレクターの松坂慶江にお尻を押された『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、覚束ない足取りで芸能人チームの席に向った。
「『住込み浪人』のビエール・トンミー君でーす!」
というナンカイノー・アメカイノーの紹介があり、
「え?何なの、『住込み浪人』って?」
もう一人の司会者ヒロニが、首を捻った。
「ビエール・トンミー君は、大学受験の浪人生活を大学で『住込み』で送っているんです」
「はあ?そんなん聞いたことねえなあ。まあ、要するに浪人ね?」
ヒロニは、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年を、明らかに小馬鹿にしていた。
「(え?浪人なの?浪人が、芸能人チームのスペシャル・サポーター?私たちを馬鹿にしてるの?)」
『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』も、『住込み浪人』が芸能人チームのスペシャル・サポーターになることは、聞かされていなかったのだ。
「(ん?でも何だか、さっきより臭くなってきた。んぐっ!)」
と股間に『異変』が生じた『サトミツ』を、これまでない至近距離で見ている『住込み浪人』ビエール・トンミー青年も、思わず、股間を抑えた。
「(んぐっ!)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、芸能人チームのキャプテン『デヴィル夫人』の隣の席に座らされていた。
「(んぐっ!んぐっ!)」
眼は、『サトミツ』を追い、鼻は、『デヴィル夫人』を、彼女がつけた香水を追い、股間はダブルな『異変』が生じていた。
(続く)
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