2019年6月26日水曜日

住込み浪人[その129]







「この最終問題は、今回だけの特別ルールで、早押し正解者に500ポイント差し上げます!」

EBSテレビスタジオCで収録中ののクイズ番組『テイトー王』の司会者の一人、ナンカイノー・アメカイノーが、衝撃的なルールを発表した。

「ええーっ!」

『テイトー王』チームのメンバーが一斉に不満の声を上げた。最後の問題だけで、それまでの合計ポイント以上の500ポイントをもらえるのであれば、それだけで勝ちになる。

「(しかも、早押しだなんて、ただ正解を答えればいい訳じゃないじゃないの!んもー!)」

『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』は、これまでにない程に口を尖らせた。

「(んぐっ!んぐっ!)」

『サトミツ』のその尖った口に合わせるかのように、無意識の内に、自分の口をタコのように尖らせ、ついでに、目を瞑った『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の股間には、これまでにない程に『異変』が生じていた。



「(んぐっ!んぐっ!)」

『サトミツ』のその尖った口に合わせるかのように自分の口をタコのように尖らせた『住込み浪人』ビエール・トンミー青年のその口に合わせるかのように、オバチャンも自分の口をタコのように尖らせ、ついでに、目を瞑った。観客席にいるOK牧場大学の学食のカレー担当のオバチャン『サキ』の股間にも、これまでにない程に『異変』が生じていた。

「おい、おい!このスタジオ、なんだか猛烈に臭くないか?」

もう一人の司会者ヒロニが、『異変』に、なんらかの『異臭』がスタジオ内で生じていることに、気付いたようであった。

『住込み浪人』ビエール・トンミー青年に起因する『サトミツ』からの『異臭』、逆に、『サトミツ』に起因する『住込み浪人』ビエール・トンミー青年からの『異臭』、そして、また『住込み浪人』ビエール・トンミー青年に起因するオバチャンからの『異臭』が、スタジオC内に渦巻いていたのだ。

「では、最終問題でーす!」

司会者の一人、ナンカイノー・アメカイノーは、構わず、番組を進行させる。


(続く)




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