(住込み浪人[その127]の続き)
「では、ファイナル・ステージ第3問、さあ、最終問題です!」
EBSテレビスタジオCで収録中ののクイズ番組『テイトー王』である。司会者の一人、ナンカイノー・アメカイノーが、高らかに宣言した。
「だけどさあ、もう勝負あったよな」
もう一人の司会者ヒロニが、冷静な言葉を吐いた。勝負を、番組を盛り上げないといけない立場だが、本音を云うのが、ヒロニの持ち味だ。
「本人を前に云うのもなんだがさあ、『住込み浪人』君って、全然、大したことないじゃん」
ファイナル・ステージに芸能人チームのスペシャル・サポーターとして登場したものの、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、出題された問題2問とも、正解できなかったのだ。
「(そうだわ。こんな男に、アタシったら、『んぐっ!』しちゃうなんて)」
『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』は、自己嫌悪に陥っていた。
「(確かに、美貌はこれまで見たことのない程だけど。でもイヤ!知の伴わない美は、本当の美ではないわ)」
しかし、そこにまた『サトミツ』の股間に『異変』を生じさせた異臭が漂ってきた。
「(んぐっ!)」
『サトミツ』に起因する『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の股間の『異変』が発した異臭が、ブーメランのように『サトミツ』にもどってきたのだ。
(続く)
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