(住込み浪人[その109]の続き)
「そう、驚くなかれ、『テイトー』を辞退したんですう!」
EBSテレビのスタジオCで収録中のクイズ番組『テイトー王』の司会者の一人、ナンカイノー・アメカイノーは、高らかに宣言するように、説明をした。
「ビエール・トンミー君は、『テイトー』に合格したのに、入学を辞退し、今、『住込み浪人』をしているのです!」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、クイズ番組『テイトー王』に特別参戦してきた理由が、ここに明かされた。
「ええー!ま、ま、ま、まさかー!」
『テイトー』チームも芸能人チームも共に、驚きの声を上げた。
「(ええー!?どうして?どうしてなの?)」
『サトミツ』が、大きく口を開けたままの様子をテレビ・カメラが捉えた。
「(………)」
『テイトー』に合格したのに、入学を辞退するというのは、『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』の理解を超えていたのだ。
「(んぐっ!)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、あんぐりと開いた『サトミツ』の口を見てしまった。
「(んぐっ!んぐっ!)」
そして、頭ではなく、股間が勝手に、なんらかの妄想を抱いたのだ。
(続く)
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