(住込み浪人[その111]の続き)
「(この問題は、もらった!)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、思い出したのだ。EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』のファイナルステージの第1問である。
「(学食で学生たちが話していた。ふふ)」
そうだ。OK牧場大学の学生食堂でカレー・ライスをほぼ『こさげ』た『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、二人の男子学生の会話を聞いたのだ。眼は、食堂内の女子学生たちの脚を追いながら。
「(奴ら、カメムシは、『椿象』と書く、と云っていた)」
と、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、回答ボードに、マジックで『椿象』と書こうとしたが、そのマジックを持つ手を一瞬、止めた。
「(……….?)」
疑問が湧いたのだ。
「(あの時、あの学生たちは、確か………)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、思い出した。
「(『テイトー王』の話をしていたんだ….)」
OK牧場大学の学生食堂でカレー・ライスをほぼ『こさげ』た『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が耳にした二人の男子学生は、『テイトー王』で『テイトー』の学生たちが、カメムシは、『椿象』と書くと答えただけではなく、どうして『椿象』と書くのかも知っていた、と話していたのだ。
「(どういうことだ?『テイトー王』は、同じ問題を出してきたのか?人気テレビ番組でそんなことがあり得るのか?)」
(続く)
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