(住込み浪人[その110]の続き)
「(強敵なのね!負けないわ!)」
その時、『サトミツ』の理性が、股間の『暴走』を制し、ようやく、EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』は、ファイナル・ステージの戦いに入って行った。
「では、最初の問題です!」
問題を出すのは、司会者の一人、ナンカイノー・アメカイノーである。
「(只者じゃあないわ!『テイトー』に合格したのに、入学を辞退するなんて)」
『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』は、『テイトー』入学を辞退せず、素直に入学したものとして、入学辞退によって『テイトー』の価値を貶めたとも云える『住込み浪人』なる存在に負ける訳にはいかない。
「(行くわよー!ノックアウトよお!)」
机に両腕をつけ、問題を出す司会者席に向け、体を斜めにし、臨戦体制に入った。
「頭は三角になっており、細長い触角を持ち、猛烈な悪臭を放つ、通称『カメムシ』と呼ばれる昆虫の名前を漢字で書いて下さい!」
それが、ナンカイノー・アメカイノーが発したファイナルステージの第1問であった。
「(おお、カメムシ!)」
芸能人チームにスペシャル・サポーターとして入った『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、北叟笑んだ。
(続く)
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