(住込み浪人[その120]の続き)
「(な、な、なんだ!?)」
EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』収録中のスタジオCで光が、何かの光が、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の眼を射ってきたのだ。
「(『サトミツ』の視線か?)」
何だかいつも以上に挑戦的とも見える様子の『サトミツ』の視線に射られたのかと思ったのだ。
「(いや、また君か!)」
そう、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、直ぐにその強烈な光を放つ視線が、『サトミツ』から発せられたものではなく、また、観客席に身を潜めている友人から発せられたものであることを知った。
「(…………..)」
エヴァンジェリスト青年は、またもや。心から何を発せず、ただ冷徹な視線を『住込み浪人』ビエール・トンミー青年に向けていた。
「スミローちゃーん!頑張ってえー!」
何も知らないOK牧場大学の学食のカレー担当のオバチャンは、黄色い声援、いや、少し黒ずんだ黄色い声援を送っていた。
「(また、そういうことなのか?)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、友人に問うた時、エヴァンジェリスト青年の冷徹な視線は、やはり『サトミツ』に向けられた。
「(ああ….)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年も、『サトミツ』に視線を回した。
『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』は、必死に、文字通りと云っていい程に必死に、回答ボードにマジックを走らせていた。
「(『サトミツ』は書けるんだ。やはり『オコガマシイ』をちゃんと『烏滸がましい』と書けるんだ。さすがだ)」
そして、その必死の横顔を見た『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の股間は、『条件反射』した。
「(んぐっ!)」
と股間を『反応』させた。
(続く)
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