(うつり病に導かれ[その57]の続き)
「代わりますわ、お婆ちゃん」
『スミコ』と呼ばれた八重歯の星由里子に酷似した女性が、カウンター越しにビエール・トンミー氏の前に立った。
「(ああ…)」
爽やかで何だかいい匂いの風がビエール・トンミー氏の顔に当った。
「(んぐ…)」
と『異変』が生じかけた時であった。
「あら!」
『スミコ』と呼ばれた八重歯の星由里子に酷似した女性が、正面から、ビエール・トンミー氏の顔を見据えた。
「(んぐ…)」
ビエール・トンミー氏は、慌てて両手で股間を抑えた。
「どこかでお会いしたことありませんかしら?」
『スミコ』と呼ばれた八重歯の星由里子に酷似した女性が、妙なことを云い出した。
「へ?」
ビエール・トンミー氏は、思わず間抜けな声を出してしまった。
(続く)
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