「ふふ。貴方は甘い人だ。我が国の国民を理解していない。我々は、国民の愚かさにつけ込んで商売をするのです」
週刊『ヘンタイ』の編集長ブロークン・レッグが、エヴァンジェリスト氏に嘯いた。
「ひどい奴だなあ」
「愚かな国民がいけないのです。頭のいいやつがコントロールするのです」
「……..ふふ……..ふふ……….」
「なんです?どうしたのです?気持ち悪い笑い方は止めて頂きたい」
「君は何も分かちゃいない。君は、頭がいいつもりかもしれないが、コントロールされているのは、君の方だ」
「ええ、なんですって!そんなことはない!」
「ふふ。では、これを見よ!」
(参照:劣化?【『引退』の理由】(その2)の続き)
エヴァンジェリスト氏は、今度は彼の方から、編集長ブロークン・レッグに1枚の写真を見せた。
それは、編集長ブロークン・レッグがエヴァンジェリスト氏に見せた写真に酷似していた。
酷似していたが、どこか微妙に異なっていた。
「こ、こ、これは……」
「そうだ。老いたビエール・トンミーの姿だ」
「ええ!?このイケメン紳士が!?」
「顔をよく見るがいい」
「お、お、面影が……ビエール・トンミー氏の面影が」
「そうだ。これは、老いたビエール・トンミーなのだ。いや、これが、真の老いたビエール・トンミーなのだ」
「しかし、今は、ただの『ヒヒジジイ』です」
「そうなのだ。アイツは疲れたのだ。ハンサムであり続けることに疲れたのだ。だから、アイツは踏み切った」
「踏み切った?何に?」
「手術だ」
「手術?ビエール・トンミー氏はどこか具合が悪かったのですか?」
「まあ、悪いところがあったとすれば、美しすぎた、というところであろう」
「ムカつく!」
「ハンサムでもイケメンでもない君には判らんだろうな。ワシには、アイツの気持ちが痛い程、分かる。まあ、同病相憐れむ、というところだ」
「ああ、貴方も面倒臭い人ですね。だから何なんです、手術って?ビエール・トンミーは、何の手術をしたのですか?」
「ふふ。知りたいか?....ふふ」
(続く)
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