『広島市立皆実小学校』5年4組の教室で、エヴァンジェリスト君は、その年(1965年)の夏に放映が始っていたテレビ・アニメ『オバQ』、つまり、『オバケのQ太郎』について、級友と話していた。
話しながら、エヴァンジェリスト君の目は、チッ、チッと『帰国子女』子ちゃんの方にいっていた。『帰国子女』子ちゃんも級友の女の子たちと話していた。
と、『帰国子女』子ちゃんがエヴァンジェリスト君の方に振り向いた。
「まずい!」
エヴァンジェリスト君は、級友の方に顔を向けた。
しかし、視野の中に『帰国子女』子ちゃんが近づいて来るのが入っていた。
「何だ?」
『帰国子女』子ちゃんのことを見ていたから、
「『エッチ!』とか罵られるのだろうか?」
『エッチ』って何かよくわからないが、何かいけないことのようだ。
級友とは、何を話しているのか、分からなくなった。『オバQ』は、オバケのように、エヴァンジェリスト君の頭の中から、どこかに消えていた。
「どうすればいいのだ….」
しかし、そんな狼狽を続ける間も無く、『帰国子女』子ちゃんはエヴァンジェリスト君のところまで来た。
そして、
「これ」
と、ピンクの封筒を手渡してきた。
手渡すと直ぐ、『帰国子女』子ちゃんは先程まで話していた級友たちの輪に戻っていった。
ピンクの封筒は何なのか?その中身は何であろうか?
(続く)
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