2019年1月31日木曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その97]







「オジサンって、ヘンタイだけど、自分自身を誤魔化すことができないんだね」

『ユキ』と呼ばれた少女は、言葉を続けた。

「オジサンって、エヴァンジェリスト氏っていう人が修士論文の『フランソワ・モーリアック論』で書いた『己を見る』ということができる人なんだね」

ビエール・トンミー氏は、『ユキ』と呼ばれた少女が何もかも知っていることに言葉を失い、ただただ少女を凝視めていた。

「オジサンは、奥さんのこと愛してるけど、『内田有紀』が大好きで、その『内田有紀』に似てるアタシのママのことも好きなんだよね。少なくともオジサンの股間は、ママのことをね。そして、そのことをオジサンは自覚してるんだよね」



「(んぐっ!)」
「オジサンは、今日、一緒に『ホイコーロー』を作った『松坂慶子に酷似したおば様』のことも好きなんだよね。ううん、嫌いだけど、オジサンの股間は、どうしても『反応』してしまうんだよね。そして、そのことをオジサンは、否定しようとしているけど、でも実は自覚してるんだよね」
「(んぐっ!んぐっ!)」
「オジサンは、ロリコンじゃあないけど、でも、アタシのこと見ても、股間に『異変』が生じてしまうんだよね。アタシも『内田有紀』に似てるからね。でも、それって、ひょっとして自分がロリコンなんじゃないか、と心配なんだよね。心配だけど、股間はどうしても『異変』が生じちゃうし、そのことにオジサン、苦しんでるんだよね」
「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」


(続く)



2019年1月30日水曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その96]







ビエール・トンミー氏は、『ユキ』と呼ばれた少女にも、他の誰にも悟られぬよう、心中で独り呟いた。

「(ボクが、『銀行』と『信用組合』の違いを知ったのは、商学部で、ではない)」

ビエール・トンミー氏は、『己を見る』男であった。自らを欺くことのできない男であったのだ。

「(友人のエヴァちゃん(エヴァンジェリスト氏)に教えてもらったのだ。エヴァちゃんは、フランス文學修士なのに、何故か、金融機関事情に詳しい。IT知識も豊富な男だ)」

ビエール・トンミー氏は、フランス語については、『il(彼)』と『elle(彼女)』しか知らないのに、『フランス語経済学』では『優』の成績を取ったのも、自分の力ではなく、エヴァンジェリスト氏のおかげであったことを思い出し、今更ながら、恥じた。

エヴァンジェリスト氏に、『フランス語経済学』の試験範囲部分を翻訳してもらい、それを丸暗記し、『イメージとして記憶したフランス語の文章が出てきたら、丸暗記した和訳を書く』ことによって、『優』を取ったのだ。

「ああ、そのことなら知ってるよ。『プロの旅人』で読んだことあるもん」
「(ええーっ!)」

『ユキ』と呼ばれた少女の『声』に、ビエール・トンミー氏は、
驚かざるを得なかった。

「(き、き、き、聞こえていたのか!)」
「オジサン、素敵だよお」

『ユキ』と呼ばれた少女の『声』は、甘かった。




(続く)



2019年1月29日火曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その95]







「でもねえ、専務理事がキツイ体臭でいいのかなあ、って思うんだ」

『ユキ』と呼ばれた少女は、父親の体臭について、意味がよく分からないことを云い出した。

「(専務理事?)」

ビエール・トンミー氏は、またもや首を傾げた。

「あ、そうか、オジサン知らないんだね。パパって信用組合の専務理事なんだよ」
「(ああ、そういうことか。専務理事ってことは、No.2かNo.3くらいに偉いんだな)」
「(そうだよ。アタシの叔父様が理事長なんだ。ママの妹、つまり叔母様のご主人が、理事長なんだよ。その叔父様に頼まれて、パパは信用組合の専務理事になったんだ。いつも蝶ネクタイした紳士なんだよ」



「(んん?......どこかで聞いたことのあるような…..)」
「でも、ヘンタイのオジサン、信用組合って知ってる?」
「(ああ、勿論。一種の銀行だね。まあ、『普通銀行』ではないけどね)」
「へええ、すっごーい!オジサン、ヘンタイなのに、よく知ってるんだねえ」
「(まああ…..一応、商学部出身だからね、ハンカチ大学の)」

と、云ってしまって(とは云っても、心の中の言葉として、であるが)、ビエール・トンミー氏は、頬をうっすらとピンクに染めた。

「(ああ、ボクは、嘘をついてしまった…….)」


(続く)




2019年1月28日月曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その94]




【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その93]の続き)



「『DHC Q10 ルミニスト』だよ」

『ユキ』と呼ばれた少女の声だ。

「(ん?)」

ビエール・トンミー氏は、首を傾げた。

「最近、ママがつけているの、『DHC Q10 ルミニスト』だよ」
「(『DHC Q10 ルミニスト』って知らないが、化粧品なんだな)」
「ママ、『ルミニスト』だよ」
「(….ああ、おお!...そうか、DHCか!そう、『ルミニスト』だ。だから『思わず目を引いてしまう』のか!)」
「オジサン、気づくの、遅いよ。本当に『内田有紀』のファンなの?」
「(ああ、『光のベール』かあ)」
「『DHC Q10 ルミニスト』って、あんまり香りしないけど、でも、パパは、ママの香りに、いや、匂いかな、にクラクラだよ」
「(ううーっ!)」
「『DHC Q10 ルミニスト』に、ママの体臭も混じってるんだね。パパって、ママの体臭、好きなんだよ」
「(んぐっ!)」
「仕方ないよ。ママとパパは、『夫婦』なんだもん」
「(んぐっ!)」

ビエール・トンミー氏は、『夫婦』という言葉に、想像を逞しくした。

「ママもパパの体臭、好きだと思うよ。アタシには、臭いだけだけど」
「(んぐっ!んぐっ!.....『有紀』さんは、『主人は臭いの。鼻がひん曲がっちゃう』と云ってたのに)」
「それが、男と女というものよ」

『ユキ』と呼ばれた少女は、中学生と思えぬ『発言』をした。




(続く)




2019年1月27日日曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その93]




【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その92]の続き)



「え!?」

ビエール・トンミー氏は、驚きを隠せず、思わず、そう声を発した。

「へええ、すっごーい!オジサン、凄い!ただのヘンタイだと思ってたけど、オジサンって、凄いんだね」

と云った『ユキ』と呼ばれた少女の声は、それまでと違いリアルな声であったのだ。

「まあ、この子ったら!ごめんなさい!申し訳ありません」

『内田有紀』に酷似した女性は、慌てていた。

「この子、最近、やたら『ヘンタイ』って口にしますの。学校で流行っているみたいで」
「いえ….」
「主人にも、直ぐ『ヘンタイ』って毒づくんですもの」

『内田有紀』に酷似した女性は、ビエール・トンミー氏に幾度も頭を下げた。

「だって、パパって『ヘンタイ』じゃん」
「まあ、お止めなさい」
「だって、昨夜だって、ママが台所で洗い物してたら、後ろから抱きついたじゃん」



「止めなさい!」
「だって、本当じゃん」
「パパは巫山戯てたの」
「でも、パパは、抱きついて『うーん、いい匂い』って云ってたし」
「(んぐっ!.........『フェブリナナノアクア』だな。んぐっ!)」


(続く)



2019年1月26日土曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その92]




【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その91]の続き)



「ホイコーローは、『回る鍋の肉』って書くけどね、鍋を回す、っていうことではないんだよ」

なんとか股間にも冷静さを取り戻させながら、ビエール・トンミー氏は、『ユキ』と呼ばれた少女に解説を始めた。

「『回』は、『回す』んじゃなく、『戻す』っていう意味なんだ」
「ええ?何を戻すの?」
「一度、調理した食材を鍋に『戻す』ってことなんだよ」
「へえええ」
「鍋に『戻して』、もう一度、調理するのさ」
「そうなんだあ」
「さっきの調理体験でも、先に野菜を炒めてお皿にとっておいて、豚肉と長ネギをいため、『Cook Do®️』を混ぜたところに『戻した』でしょう」
「うん、そうだった」

『ユキ』と呼ばれた少女の反応は素直だった。

「『Cook Do®️』<回鍋肉用>のレシピもそうなっているよ」
「へええ、すっごーい!オジサン、凄い!ただのヘンタイだと思ってたけど、オジサンって、凄いんだね」



「え!?」


(続く)


2019年1月25日金曜日

【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その91]




【ビエールのオトナ社会科見学】ホイコーローを作る[その90]の続き)



「アータ、知ってるんでしょ?」

マダム・トンミーには分っていたのだ。夫が、ホイコーローは、どうして『回る鍋の肉』って書くのか知っていることを。

「アータって、なんでも知ってるんだもの」

そうだ。ビエール・トンミー氏は、博識であった。

「アタシ、最初はアータが物凄い物知りなところに惹かれたんだもの」

そう云いながら、マダム・トンミーは、頬をピンクに染めた。

「勿論、アータ、社内一のハンサムだったけど、アタシ、面食いじゃないし」



と云ったものの、マダム・トンミーは、自身が嘘をついていることを知っていた。物凄い物知りなところに惹かれたのは、確かであったが、その前に、ビエール・トンミー氏の容姿に参ってしまったのだ。

「でも、付き合うようになってみたら、アータ、インテリだけど、ソノ時は、すっごいワイルドになるんだもの。でも、そんなところも素敵だったわ。…..あら、ま、アタシったら」

マダム・トンミーは、自分の吐いた言葉で自身の股間に『異変』を生じさせたが、男である夫とは違い、その『異変』は他人に悟られることはなかった。


(続く)



2019年1月24日木曜日

【緊急インタビュー、再び】次のルノーCEOは、アナタでしょ?[後編]




【緊急インタビュー、再び】次のルノーCEOは、アナタでしょ?[中編]の続き)



「んぐっ!」

股間に『異変』が生じる程の衝撃であったのか、エヴァンジェリスト氏は、特派員の言葉に動揺を示した。

エヴァンジェリスト氏に、『アナタ、ルノーの次のCEOになるんでしょ?』とインタビューを試み、次に、ビエール・トンミー氏に、『アナタ、ルノーの次のCEOになるんでしょ?』と訊くべく、『質問状』をビエール・トンミー氏の郵便受けに入れ、その後に再び、エヴァンジェリスト氏に、インタビューをしている特派員である。

「トンミーさん、回答書で、訊いてもいないのに、回答書にアナタのこと書いてきた。それ、意味あるね」

特派員は、そう云ったのだ。態とらしいたどたどした日本語だ。

「つまり、トンミーさん、暗示したのね。本命は、アナタだって」
「んぐっ!」
「ルノーの次のCEOの本命は、アナタ、だってね」
「んぐっ!」
「アナタ、ルノーの次のCEOになるね?」
「知らん、知らん!事務所を通してくれ!」
「事務所って、石原プロ?」
「んぐっ!.....そ、そ、そんなことまで….」
「アナタ、まき子夫人のこと考えて、ルノーの次のCEOになる決心つかないのね?」
「き、き、君は、まき子夫人ことまで知っているのか」
「でも、アナタ、自宅にまだミニテル端末持ってるね」
「ど、ど、どうして、それを….」
「もうミニテル端末使えないのに、PHILIPSのミニテル端末持ってるね」
「んぐっ!」
「そのミニテル端末、英語キーボードだけど、見ていたサービスは、フランスのサービスね。東京日仏学院で提供していたミニテル・サービス『JITEL』にも接続していたけど」



「んぐっ!」
「フランス大使館のアタシェの後、東京日仏学院の副院長になったパトリス・ジュリアンさんとも親しかったね。オランジュ(Orange)の幹部にも、ああ、昔のフランステレコムね、アナタの友だちいるね。エコール・ポリテクニーク(École polytechnique)出身のエリートね。モロッコにも知り合いのフランス人いるね。国際的な通信衛星関係のビジネスをしている偉いフランス人とも昔馴染みね
「んぐっ!...どうして、そこまで…..」
「アナタ、学位論文も修士論文も『フランソワ・モーリアック論』ね。その下書き、今も、自分の部屋の棚に置いてるね」
「き、き、君は……」
「『フランソワ・モーリアック論』のテーマは、『見る』ね。アナタ、『己を見る』ことに拘りあるね」
「そ、そ、そうかあ….」
「アナタ、フランスととっても関係深いね。日産や三菱自動車とルノーとの関係考えると、アナタ、ルノーの次のCEOになるのがイチバンね」
「き、き、貴様あ!ビエール・トンミーの回し者だなあ!アイツへの質問も、アイツからの回答もフェイクだなあ!」
Sans commentaire!」

と、特派員は踵を返して、TGV並みの速さで去って行った。


(おしまい)




2019年1月23日水曜日

【緊急インタビュー、再び】次のルノーCEOは、アナタでしょ?[中編]







「トンミーさんのフランス語、アレ、偽物ね」

エヴァンジェリスト氏に、『アナタ、ルノーの次のCEOになるんでしょ?』とインタビューを試み、次に、ビエール・トンミー氏に、『アナタ、ルノーの次のCEOになるんでしょ?』と訊くべく、『質問状』をビエール・トンミー氏の郵便受けに入れ、その後に再び、エヴァンジェリスト氏に、インタビューをしている特派員は、ビエール・トンミー氏批判をする。

「あの男は、『フランス語経済学』で『優』の成績を取ったのだぞ」
「ああ、それは本当かもしれないけど、あの人のフランス語、あれ、ネットで翻訳したのね」
「あの男が、ハンカチ大学で、『フランス語経済学』で『優』の成績を取った頃には、ネットはなかったぞ。それに、あったとしても試験中にネットを使う訳にはいくまい」
「どうせ、友だちのフランス文学修士にでも翻訳してもらったね」
「むむ….」
「トンミーさん、訊いてもいないのに、友だちのこと書いてきたね。OK牧場大学の友だちね」
「むむっ」
「その友だち、優秀だって。でも、怠け者だって」
「な、なにぃ!」
「ふん。自分のことだから、怒るのね」
「うっ…..」
「アナタ、トンミーさんの『フランス語経済学』の翻訳してあげたね」
「知らん、知らん。でも、もしそうだとして、翻訳してやっただけでは、試験で『優』は取れまい」
「ああ、でも、トンミーさん、アッタマいいね。エンタイだけど」
「ああ、確かに、あの男は、『インテリ・ヘンタイ』だ」
「試験範囲、翻訳してもらえば、トンミーさん、それ丸覚えするね」
「日本語を覚えただけでは、試験で回答はできないぞ」
「トンミーさん、そこ凄いね。『イメージとして記憶したフランス語の文章が出てきたら、丸暗記した和訳を書く』ことできるね」
「ううっ。どうして、そのことを….」
「ああ、そのこと、Blog『プロの旅人』の『【ビエール、怒髪天】SNCF大規模ストライキ[後編]』に書いてあったね」
「おお!...君は、フランス人か、フランス人もどきか知らんが、Blog『プロの旅人』をそこまで読んでいるのか?」
「Blog『プロの旅人』は、ヨーロッパでも人気ね」



「…..日本では、人気がないが…..」
「トンミーさんの『フランス語経済学』の翻訳してあげたの、アナタ。そのこと、『【ビエール、怒髪天】SNCF大規模ストライキ[後編]』に書いてあったね」
「ああ、バレバレだったか」
「トンミーさん、回答書で、訊いてもいないのに、回答書にアナタのこと書いてきた」
「ふん、余計なことを….」
「それ、意味あるね」


(続く)



2019年1月22日火曜日

【緊急インタビュー、再び】次のルノーCEOは、アナタでしょ?[前編]







「ビエール・トンミーさんね、アレ、偽物」

エヴァンジェリスト氏に、『アナタ、ルノーの次のCEOになるんでしょ?』とインタビューを試み、次に、ビエール・トンミー氏に、『アナタ、ルノーの次のCEOになるんでしょ?』と訊くべく、『質問状』をビエール・トンミー氏の郵便受けに入れた特派員が、再び、エヴァンジェリスト氏に、インタビューをしていた。

「何が偽物だ。君に教えたアイツの住所は本当にあの男の自宅だ。ワシは、個人情報保護なんて考えはないからな」
「ああ、回答したのは、本当のトンミーさんね。でも、あの人、偽物な人ね」

相変らず、ややフランス語訛りな感じの日本語である、というか、以前より、たどたどしい日本語で、自らを態と外国人っぽく見せようとしているようにも感じられる。

「意味がわからんな。アイツは、ヘンタイだがインテリだぞ」
「ああ、それは本物ね。本物の『エンタイ』

ややフランス語訛りな感じの日本語を話す特派員は、フランス人、または、フランス人の血が入っている者、或いは、フランス語を母国語とする男であるように見せようとしているのか(云うまでもなく、フランス人は、『H』を発音できない)、『HENTAI(ヘンタイ)』を『エンタイ』と発音し始めた。

ビエール・トンミー氏の回答書に反応する時には、『ヘンタイ』と云っていたのに…..

「君は、あの男とインタフォン越しに話しただけで、回答も郵送され、あのヘンタイに会えなかったではないか?」
「ああ、そうね」
「では、何故、少しだけ聞いた声と回答書で、あの男がヘンタイだと分るんだ?」
「干してあった洗濯もの見たね」
「はあ?」
「トンミーさんのパンツ、股間のところが、妙にユルユルになってた」



「うーむ」
「Blog『プロの旅人』で、トンミーさん、いつもいつも股間に『異変』生じてるね。パンツのユルユル、その証拠」
「君は、侮れんなあ。じゃ、本物のヘンタイだと認めるのに、あの男の何が偽物なんだ?」



(続く)


2019年1月21日月曜日

【質問状への回答書】次のルノーCEOは、アナタでしょ?





Oh, mon Dieu !

ビエール・トンミー氏に、『アナタ、ルノーの次のCEOになるんでしょ?』と訊くべく、『質問状』をビエール・トンミー氏の郵便受けに入れた特派員が、苦虫を噛んだように言葉を吐いた。

「ヘンタイのくせに!」

ややフランス語訛りな感じの日本語である。

『Mon ami.』

という書き出しの『回答書』が送付されてきたのだ。それも、フランス語で、である。

Oh, mon Dieu !

と云いつつも、『回答書』を読み進め、特派員は、回答の都度、ブツブツと呟いた。



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【問_1】『SNCF』をどう読みますか?

SNCF est une organisation similaire aux chemins de fer d’État japonais.


「ふん!『 SNCF』が何かなんか、オマエになんか教えてもらわなくても知ってる。どう読むか、訊いたのだ。シロウトは、『エスエヌシーエフ』と云うからな」



【問_2】フランス語で、『お休みなさい』は、どう言いますか?

Bonne nuit, c'est le mot avant d'aller se coucher la nuit.


「余計な解説は、いらん!」



【問_3】フランス語で、『Bon appétit』は、どういう意味ですか?どんな時に使いますか?

Bon appétit est un mot pour recommander des repas.


「分ったぞ!ネットの翻訳サービスを使ったな」



【問_4】フランス語で、『A votre santé』は、どういう意味ですか?どんな時に使いますか?

A votre santé est une salutation lorsque vous buvez.


「いかにもネットで訳しました、ってカンジね」



【問_5】貴方は、学生時代(ハンカチ大学時代)、フランス語は、『il(彼)』と『elle(彼女)』しか知らないのに、『フランス語経済学』は『優』の成績を取ったというのは、本当ですか?どうやって『優』の成績を取ったのですか?

J'ai appris l'économie française avec beaucoup de travail et de courage.


「まともに答えるつもりないな」



【問_6】貴方は、ハンカチ大学で、『商学部』の学生として『SNCF』の研究をされていたと噂されていますが、実は、『第一文学部』の『西洋美術史専修』の学生であったとも云われます。また、漕艇部であったという証言もあります。本当は何学部の学生だったのですか?

J'ai étudié les sciences commerciales à l'Université Handkerchief.J'ai aussi appris l'histoire de l'art occidental.J'ai aussi appris les bateaux à rames.

J'étais bon en économie écrit en français.

Mon ami était à l'université OK Bokujo. L'ami était excellent, mais il était paresseux.


「オマエの友だちのことなんか、訊いてない!要するに、何学部の学生だったんだ!?」



【問_7】貴方は、会社を59歳で完全リタイアした後、母校(ハンカチ大学)のオープン・カレッジで、西洋美術史を3年間、勉強されたそうですが、それは、美人講師目当てですか?或いは、将来的に仕事復帰し、ヨーロッパでビジネスをする時の為の布石だったのですか(経営層の教養として西洋美術が必要だから)?

J'ai étudié l'histoire de l'art parce que je voulais voir le nu.


「オマエが『ヘンタイ』であることは知っている。しかし、オマエは、『インテリ・ヘンタイ』だろう。ただ裸見たさ、ではないはずだ」



【問_8】貴方は、運転免許を取得して直ぐに、フォルクスワーゲンのビートルを購入し、その日に、友人であるエヴァンジェリスト氏の当時の下宿(上井草位にあった)まで行ったものの、その下宿への角を曲がることができなかった、ということは本当ですか?

Je n'aime pas être courbé.


「ほほー。『プロの旅人』の『曲がった事が嫌いな男』を活用か。あんなダラダラと長く内容のないBlogを」



【問_9】今、あなたが乗るクルマは、ルノーのクルマですか?日産ですか?三菱自動車ですか?未だビートルですか?

Je conduis une Mercedes-Benz.


「ベンツに乗ってるから、ルノーの次のCEOにはならん、とは限らんぞ」



【問_10】最後にズバリ訊きます。貴方は、ルノーの次のCEOになるのですか?

Metamorphosis ne peut être le CEO de Renault.


「フランスは、日本とは違うぞ。日本では、『ヘンタイ』は大会社のCEOになれないかもしれないが、フランスでは能力さえあれば、『ヘンタイ』でも、大会社のCEOになれる。愛人がいたって大統領にもなれる。ましてや、『インテリ・ヘンタイ』なら」



=========================


Ah…..Oui…..

『インテリ・ヘンタイ』なら、と云いながらも、特派員は何か悟ったようであった。

「Merci, Bière!」

何をビエール・トンミー氏に感謝しているのか?


(おしまい?続く?)