(住込み浪人[その64]の続き)
「おじ….さん?.....おばちゃ……ん?」
OK牧場大学構内にある『寮』の部屋に寝かされた『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、うなされていた。
「ああ、確かに、おじさんと思っても仕方ないなあ。髭が生えていたもんな」
OK牧場大学大学院文学研究科フランス文学専攻で、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の友人であるエヴァンジェリスト青年が、誰に云うでもなく呟いた。
「んぐっ!」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、ブリッジするように、腰を浮かせた。
「ああ、あの時のことを思い出して、『反応』してるんだな」
OK牧場大学の学生食堂で、エヴァンジェリスト青年のアトミック・ドロップを受け、悶絶し、意識を失って横たわっている時に、学食のカレー担当のオバチャンに、マウス・トゥ・マウスで人工呼吸をされた時のことを云っているのだ。
「オバチャンでも『反応』するとは、さすが変態だな」
と、寝たままの『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の右手が、エヴァンジェリスト青年に伸びてきた。
「おいおい、何をするんだ。ボクは、オバチャンじゃないぞ」
と云うと、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の右手を払いのけ、エヴァンジェリスト青年は、腰をあげ、部屋から出て行った。
「あれだけ『元気』なら大丈夫だろう」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿