(住込み浪人[その68]の続き)
「ううーっ!」
OK牧場大学の校庭で、女子学生たちの渦に竹箒を持ったまま回転していた『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、閃光に思わず、眼を閉じ、手で眼を隠すようにすると、渦の中に身を投げ出すように倒れ込んで行った。
「キャーッ!ビエさまあ!」
「何、何、何いい!」
女子学生たちは、パニックとなった。
「どいて!どいて!」
女子学生たちの群れをかき分けてくる一団があった。
「ピカーッ!」
女子学生たちの眼も眩んだ。
「君たちに用はない!用があるのは、そこの『住込み浪人』君だ!」
男の声に、女子学生たちの群れに道ができた。
「な、な、なんだ?」
女子学生たちに身を支えられたまま、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、男の声に反応した。
「君だね、『テイトー』に合格したのに辞退して、わざと二浪をしているのは!?それも『住込み浪人』に身を窶して」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、眉間に皺を寄せた。『テイトー』に合格したのに辞退したのは事実だが、わざと二浪をしている訳ではないが、とは思った。
(続く)
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