2019年4月27日土曜日

住込み浪人[その69]







「ううーっ!」

OK牧場大学の校庭で、女子学生たちの渦に竹箒を持ったまま回転していた住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、閃光に思わず、眼を閉じ、手で眼を隠すようにすると、渦の中に身を投げ出すように倒れ込んで行った。



「キャーッ!ビエさまあ!」
「何、何、何いい!」

女子学生たちは、パニックとなった。

「どいて!どいて!」

女子学生たちの群れをかき分けてくる一団があった。

「ピカーッ!」

女子学生たちの眼も眩んだ。

「君たちに用はない!用があるのは、そこの『住込み浪人』君だ!」

男の声に、女子学生たちの群れに道ができた。

「な、な、なんだ?」

女子学生たちに身を支えられたまま、住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、男の声に反応した。

「君だね、『テイトー』に合格したのに辞退して、わざと二浪をしているのは!?それも『住込み浪人』に身を窶して」

住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、眉間に皺を寄せた。『テイトー』に合格したのに辞退したのは事実だが、わざと二浪をしている訳ではないが、とは思った。


(続く)




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