(住込み浪人[その101]の続き)
「おやあ?『佐藤ミツ』、今日は、今一つ調子が出ませんね。どうしたんでしょう?」
EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』の司会者の一人、お笑い芸人のナンカイノー・アメカイノーが、『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『サトミツ』こと『佐藤ミツ』が回答ミスを連発し、クイーンらしくないことを訝った。
「(んもー!だってえ!)」
と、『サトミツ』は頬を膨らませる。
「(何なのよ、『んぐっ!』って!そんなの受験勉強でも出てこなったし、『テイトー』でも習ったことない。私が知らないことがあるなんて!)」
プライドに美貌のシェルを被せたとも云える『サトミツ』には、自分の知らない『んぐっ!』なるものが許せず、そのことで調子が乱され、回答ミスを連発してしまっていたのだ。
そんな『サトミツ』をスタジオCの片隅で凝視していた『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、また我慢できず、
「(んぐっ!)」
となったが、両手で強く股間を抑え、その影響も抑えたので、それにより収録が中断することはなかった。
「(それにい……)」
『サトミツ』の不調には、まだ理由があるようであった……..
(続く)
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