(住込み浪人[その75]の続き)
「君だって、彼女に会ってみたいだろ。アラン?」
OK牧場大学の校庭で、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年に、自身のクイズ番組『テイトー王』への出演を迫るEBSテレビのディレクターは、思わせぶりな云い方をした。
「彼女?」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、思わず反応した。ひょっとして、と思ったからだ。
「そうさ、彼女さ」
「まさか….」
「うん、『サトミツ』だよ」
クイズ番組『テイトー王』のクイーンである『テイトー』(帝立大学東京)の学生にして、スタンハンセン大学も認めた才媛である『佐藤ミツ』のことだ。
「(んぐっ!)」
「ほーら、もう『んぐっ!』ってなってるじゃないか」
EBSテレビのディレクターは、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の股間に視線を落とした。
「なーに、『んぐっ!』って?」
「うーん、なんか分かんないけど、なんかイヤラシイ感じだわ」
周囲の女子学生たちが、顔を見合わせていた。
「いや、『サトミツ』なんか…..」
と強がりながらも、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、自身の股間を竹箒で隠した。
(続く)
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