2019年5月9日木曜日

住込み浪人[その81]







「くっさー!」

OK牧場大学構内にある『寮』の住込み浪人』ビエール・トンミー青年の部屋で、EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』のアシスタント・ディレクターの松坂慶江は、手で鼻を摘むと同時に、顔を横に背けながら、眼を瞑った。

「(は!)」

松坂慶江が見せた隙に、住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、股間を抑えながら、立ち上がり、松坂慶江に背を向けた。

「んもーっ!」

ようやく眼を開けたアシスタント・ディレクターは、頬を膨らませた。

「本当に臭いんですね!」

上司のディレクターから予め聞いていたのだ。住込み浪人』ビエール・トンミー青年が寝ていた布団を剥いだ瞬間、噂に聞いていた臭気に襲われたのだ。

「だけど……」

アシスタント・ディレクターは、膨らませた頬を紅に染めた。

「ああ……」

と、云いながら、目が虚ろとなり、眼前の布団に身を伏せていった。


「あ!?」

背後の異変に気付いた住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、振り向き、行儀をしたまま布団にうつ伏せになったアシスタント・ディレクターに近付き、体を支え起こした。

「大丈夫ですか?」
「ええ..ええ?....」
「どうしました?」

住込み浪人』ビエール・トンミー青年の腕の中で、松坂慶江は、息を吹き返したが…….

「(んぐっ!)」

間近により強烈な臭気を感じた松坂慶江は、股間に『異変』が生じたのだ。


(続く)



0 件のコメント:

コメントを投稿