(住込み浪人[その80]の続き)
「くっさー!」
OK牧場大学構内にある『寮』の『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の部屋で、EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』のアシスタント・ディレクターの松坂慶江は、手で鼻を摘むと同時に、顔を横に背けながら、眼を瞑った。
「(は!)」
松坂慶江が見せた隙に、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、股間を抑えながら、立ち上がり、松坂慶江に背を向けた。
「んもーっ!」
ようやく眼を開けたアシスタント・ディレクターは、頬を膨らませた。
「本当に臭いんですね!」
上司のディレクターから予め聞いていたのだ。『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が寝ていた布団を剥いだ瞬間、噂に聞いていた臭気に襲われたのだ。
「だけど……」
アシスタント・ディレクターは、膨らませた頬を紅に染めた。
「ああ……」
と、云いながら、目が虚ろとなり、眼前の布団に身を伏せていった。
「あ!?」
背後の異変に気付いた『住込み浪人』ビエール・トンミー青年が、振り向き、行儀をしたまま布団にうつ伏せになったアシスタント・ディレクターに近付き、体を支え起こした。
「大丈夫ですか?」
「ええ..ええ?....」
「どうしました?」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の腕の中で、松坂慶江は、息を吹き返したが…….
「(んぐっ!)」
間近により強烈な臭気を感じた松坂慶江は、股間に『異変』が生じたのだ。
(続く)
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