2019年5月21日火曜日

住込み浪人[その93]







「よく見ると、君もなかなか美味しいわねえ。ふふ」

EBSテレビのクイズ番組『テイトー王』出演者控室で、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年を前に、中年女性マネージャーが、文字通りの舌舐めずりをした。

「(んぐっ!.....しまった!.....違う!違うんだ!)」

おばさんには興味はない『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、必死で、自分の意思とは別に『反応』してしまう自身の股間の動きを否定した。

「あら、どう違うの?」
「(??….この人も他人の心が読めるのか?)」
「いいのよ、安心して。アタシ、『商品』には手は出さないから。ふふ」
「(商品?)」
「そうよ、君も、ウチの事務所に入らない?あのエヴァなんとか子と一緒に。ふふ」
「いえ….」
「ウチは、『枕』はさせないから安心していいのよ。ふふ」
「(『枕』?)」



芸能界に疎い『住込み浪人』ビエール・トンミー青年には、中年女性マネージャーが口にした『枕』の意味が分らなかった。しかし、

「(んぐっ!.....え?何だ?何なんだ!)」

『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の股間は、『枕』の意味を理解したようであった。

「あれええ…..ふふ、ふふ」

『住込み浪人』ビエール・トンミー青年の股間に眼を遣った中年女性マネージャーは、自らの紅い唇を舐め回し、身を青年の方の寄せようとした時であった。

「皆さーん!」

控室のドアが開き、、クイズ番組『テイトー王』のアシスタント・ディレクター松坂慶江の声が響いた。


(続く)



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