『少年』は、その年(1968年)、毎週楽しみにしていたテレビ番組『泣いてたまるか』が終了し、『青島幸男』の他にも、『渥美清』の回ではない回に主役となった『中村嘉葎雄』という、兄である『中村錦之助』よりも好ましいと思えた役者を見れなくなるのは残念であったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その100]の続き)
「(『パルファン』子、君はもうボクの『妻』だ)」
『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)2年生のエヴァンジェリスト少年は、下校途中の1学年下の『パルファン』子さんに交際を申し入れただけであったが、心の中でもう彼女を『妻』としていた。
「ボクと付き合ってくれないかなあ?!」
という自分の告白への
「….考えます」
という回答を、勝手に、
「一生、連れ添います」
といった風に捉えていたのだ。
「エヴァ君、どしたん?」
ブラスバンドの練習中、同学年でトロンボーンを吹く友人のジャスティス君が訊いてきた。
「ん?」
友人の質問の意味が分からなかったが、笑顔で振り向く。
「なんか嬉しそうじゃねえ」
「そう?」
「なんかええことあったん?」
「んん?」
「なんねえ」
「ふふ…..」
(続く)
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