2019年11月24日日曜日

ハブテン少年[その101]




『少年』は、その年(1968年)、毎週楽しみにしていたテレビ番組『泣いてたまるか』が終了し、『青島幸男』の他にも、『渥美清』の回ではない回に主役となった『中村嘉葎雄』という、兄である『中村錦之助』よりも好ましいと思えた役者を見れなくなるのは残念であったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。

だって、ハブテルと、

「あんたあ、ハブテンさんな」

と母親に叱られるのだ。


************************





「(『パルファン』子、君はもうボクの『妻』だ)」

『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)2年生のエヴァンジェリスト少年は、下校途中の1学年下の『パルファン』子さんに交際を申し入れただけであったが、心の中でもう彼女を『妻』としていた。

「ボクと付き合ってくれないかなあ?!」

という自分の告白への

「….考えます」

という回答を、勝手に、

「一生、連れ添います」

といった風に捉えていたのだ。

「エヴァ君、どしたん?」

ブラスバンドの練習中、同学年でトロンボーンを吹く友人のジャスティス君が訊いてきた。



「ん?」

友人の質問の意味が分からなかったが、笑顔で振り向く。

「なんか嬉しそうじゃねえ」
「そう?」
「なんかええことあったん?」
「んん?」
「なんねえ」
「ふふ…..」


(続く)




0 件のコメント:

コメントを投稿