2019年11月15日金曜日

ハブテン少年[その92]




『少年』は、その年(1968年)、好きであったNHKのテレビ番組『ジェスチャー』が終了したことで、もう、『~は、置いといて』というポーズが見れなくなったのは残念であったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。

だって、ハブテルと、

「あんたあ、ハブテンさんな」

と母親に叱られるのだ。


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「きみー!」

その時、エヴァンジェリスト少年は、ついに禁断の第一歩を踏み出したのだ。

「あ、はい?」

広島市旭町の狭い道で、少女は振り向いた。エヴァンジェリスト少年の『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)の1年下の女子生徒『パルファン』子さんである。

「ボクと付き合ってくれないか?!」

唐突な、これ以上、世に唐突なものはない程に唐突な言葉を吐いた。

「え?!」

少女は、思わず、口を開け、そのまま身を固めた。

「ボクと付き合ってくれない?!」

自分でもどうしてその言葉を吐いたのか、分らなかった。

「あ…..」

少女は、口を開けたまま、瞬きもできないでいた。

「ボクと付き合ってくれないかなあ?!」



少年も瞬きせず、少女の眼を凝視めた。


(続く)



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