『少年』は、その年(1968年)、好きであったNHKのテレビ番組『ジェスチャー』が終了したことで、もう、『~は、置いといて』というポーズが見れなくなったのは残念であったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
************************
(ハブテン少年[その91]の続き)
「きみー!」
その時、エヴァンジェリスト少年は、ついに禁断の第一歩を踏み出したのだ。
「あ、はい?」
広島市旭町の狭い道で、少女は振り向いた。エヴァンジェリスト少年の『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)の1年下の女子生徒『パルファン』子さんである。
「ボクと付き合ってくれないか?!」
唐突な、これ以上、世に唐突なものはない程に唐突な言葉を吐いた。
「え?!」
少女は、思わず、口を開け、そのまま身を固めた。
「ボクと付き合ってくれない?!」
自分でもどうしてその言葉を吐いたのか、分らなかった。
「あ…..」
少女は、口を開けたまま、瞬きもできないでいた。
「ボクと付き合ってくれないかなあ?!」
少年も瞬きせず、少女の眼を凝視めた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿