『少年』は、その年(1968年)、毎週楽しみにしていたテレビ番組『ウルトラセブン』が終了し、もう『アンヌ』という日本人ぽくない名前の綺麗な女性のウルトラ警備隊員に会えなくなるのは残念であったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その97]の続き)
「(でも、ボクと『結婚』してくれないか、なんて云えない)」
自宅の子ども部屋で、股間を抑えたままエヴァンジェリスト少年は、思う。
「ボクと付き合ってくれないかなあ?!」
彼の自宅前を通って帰宅する『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)で1年下の女子生徒『パルファン』子さんを追い、廃線となった宇品線を超え、旭町の狭隘な道で彼女に追いつき、そう声をかけたのだ。
「(他に云いようはなかったんだ。あれでいいんだ…..ああ!)」
が………その時、気付いた。
「(ああっ!?)」
小学生の頃から、担任の先生に指摘されていたのだ。
「(ああ、どうしよう!?)」
両手を股間から外し、頭を抱えた。
「明らかに頭はいいのに、ケアレスミスがあります」
先生は、残念そうにそう云った。確かに、算数でも理解力は誰よりも高く、計算も誰よりも早かったが、簡単な計算ミスをすることが少なくなかった。
「(しまったあ!)」
『パルファン』子さんに対してもケアレスミスがあったことに気付いたのだ。
(続く)
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