『少年』は、その年(1968年)、参議院議員になった僧侶にして小説家の今東光の『毒舌説法」は好きではなかったでが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その101]の続き)
「新しい世界だ!」
『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)の音楽室でブラスバンドの練習中である。エヴァンジェリスト少年は、口からアルト・サックスのリードの竹の味を唾のように飛ばしながら、叫んだ。
「ああ、『新世界』かあ」
友人でブラスバンドではトロンボーンを吹くジャスティス君は、納得した。
「綺麗だあ….」
「綺麗?」
「ああ、綺麗だあ…..」
「うーん、綺麗というか、いい曲だよね」
その年(1968年)、『ミドリチュー』のブラスバンドは、文化祭で演奏する曲が、ドボルザークの『新世界』と決まり、練習を始めていた。
しかし…….
「(ああ、『パルファン』子!)」
エヴァンジェリスト少年の頭には、『妻』と決めた1学年下の美少女の像しか浮かんでいなかった。『妻』と暮らす『新しい世界』が、動画となり、脳裏を回った。
(続く)
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