『少年』は、その年(1968年)、好きであったテレビ番組『てなもんや三度笠』が終了したが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その80]の続き)
「(お!)」
『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)の正門を出て、しばらく歩いたところで、道角を右に曲がった2人の女子生徒は、またしばらく歩いて、今度は、角を左に曲がったのだ。
「(良かった…)」
エヴァンジェリスト少年も、帰宅するには、その角を左に曲がるのだ。2人の女子生徒の十数メートル後ろを歩いていた。
「(後をつけているんじゃない)」
する必要もない言い訳を心の中でする。疚しさがあったのだ。
「(綺麗だあ…..)」
2人の女子生徒の一人の面長な日本的な顔に既に酔ってしまっていたのだ。
「(だって、この道は、ボクがウチに帰る道なんだ)」
確かにその通りであったが、エヴァンジェリスト少年の心は、その女子生徒をつけていた。今で云えば、立派なストーカーであろう。
「(次の角は、右だ!右に曲がってくれ!)」
エヴァンジェリスト少年の自宅は、次の道角を右に曲がり、その次の交差点の角にあるのだ。
(続く)
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