『少年』は、その前年(1967年)、好きであったテレビ番組『スチャラカ社員』が終了したことで、もう、漫才師のレジェンド(という言葉当時はなかったが)である横山エンタツを見れなくなるのは残念であったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その88]の続き)
「ふんぐーっ!」
体の下部から突き上げてきたものが、喉を波打たせ、鼻腔を拡げ、体外へと飛び出した。
「(…….だ!)」
エヴァンジェリスト少年の両眼は、瞬きを止めていた。
「(一人だ!)」
そうだ、一人でなければ、誰か連れがいれば、残念ながら、と自分に言い訳できたのだ。
「(どうする???)」
今、そこを、自分が、応接間から垣根と門越しに見る道路を、ウチの前を、『パルファン』子さんが一人で通ったのだ。『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)からの下校途中なのだ。
「(来てしまった….)」
あれだけ、『来い!来い!来てくれ!』と念じていたのに、いざ、それが現実となると、足が竦む。
「(いや…!)」
再び、体の下部から突き上げてきたものが、喉を波打たせ、鼻腔を拡げ、体外へと飛び出す。
「ふんぐーっ!」
そして、それは、エヴァンジェリスト少年の体を自宅の外へと飛び出させたのであった。
(続く)
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