『少年』は、その年(1968年)、好きであったテレビ番組『てなもんや三度笠』が終了したことで、もう、平参平の『足カックン』ギャグを見れなくなるのは残念であったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
************************
(ハブテン少年[その86]の続き)
「んぐっぐっーっ!」
石坂洋次郎は、『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)2年生であるエヴァンジェリスト少年の中の『大人』を抑えきれない程に育てていった。
「んもー!」
と好きな男にフクれて見せるのが、松原智恵子が演じる石坂洋次郎ドラマのヒロインなのか、『パルファン』子さんであるのか、段々、判別がつかなくなってきていた。
「(可愛い!)」
好きな男に対してフクれる彼女は、松原智恵子であるのか?
「んもー!」
或いは、『パルファン』子さんであるのか?
「んぐっ!」
体の中の募る何かに突き上げられる。
「んぐっ!」
自宅に戻ると、頻繁に応接間から、垣根と門越しに道路を見る。
「(まだか?いや、もう通ったのか?)」
そこに『パルファン』子さんの姿はなくても、網膜には常時、『パルファン』子さんの像が写っている。
「んぐっ!」
学校でも、授業中以外は常に『パルファン』子さんを探す。いや、授業中でも校庭に眼を遣る。体育で校庭に出てくるかもしれない。理科室に移動するのに通るかもしれない。
「んぐっぐっーっ!」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿