『少年』は、その年(1968年)、世界初の宇宙飛行士であったガガーリンが亡くなったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その79]の続き)
「(!…..見たことがない…..!)」
そうだ、皆実小学校でも『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)でも見たことがなかった。
「(んぐっ!)」
『ミドリチュー』を正門を出て、翠町の自宅まで帰りながら、道端の雑草を見てはため息をついていたエヴァンジェリスト少年の息が止っていた。
「(こんな子がいるのか!)」
それ程の美しい女子生徒であった。友だちらしき女子生徒と帰宅しながら、会話し、時々、横顔を見せる。面長な日本的な顔だ。
「(んぐっ!)」
2人の女子生徒は、エヴァンジェリスト少年の十数メートル先を歩く。
「(どうしよう…….)」
何がどうしよう、であるのかは分らなかったが、追い越すことはせず、そして、近づき過ぎることもせず、歩を進める。
「(お!)」
2人の女子生徒は、道角を右に曲がった。
「(良かった…)」
エヴァンジェリスト少年も、帰宅するには、その角を右に曲がるのだ。
「(んぐっ!)」
その女子生徒が横顔を見せる度に、体のある部分が『反応』する。
(続く)
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