(うつり病に導かれ[その74]の続き)
「JANAホテルって何?」
マダム・トンミーは、風邪で寝込む夫を更に問い詰める。
「な、な、なんのことだ?」
夫は、動揺しながらも惚けた。
「そこで、何かイレたの?」
「へ!?」
「『もう無理だあ!』って、何が無理だったの?」
「へ!?」
ビエール・トンミー氏の眼が泳いだ。
「(どうして妻は知っているのだ?寝言か?)」
妻の顔の横にiPadがあった。そして、そこには、『その画面』があった。
「(おー、そうだ!)」
寝たまま、視線を横にずらした。PCのディスプレイがあった。床には、『お部屋ジャンプ』でテレビを見る為のディスプレイもあった。そして、そこにも、『その画面』があった。
「(そうだ、そうだったのだ!)」
風邪をこじらせ寝込むことになった時、自らの部屋を、ベッドとその周囲を『秘密基地』とし、寝たまま、情報を得られるようにしたのだ。手許には、iPhoneもあった。
(続く)
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