2020年4月25日土曜日

【ビエール、怒る!】何が、『社会的』距離だ![その2]







「はああん、君は、『ハンシャ』になったんだな」

FaceTime(ビデオ通話)で怒りをぶつけてきた友人のビエール・トンミー氏に対し、エヴァンジェリスト氏が挑戦的な言葉で返した。

「何やて?ワテは、『高等遊民』や。なーんも販売なんかせえへんで」
「販売会社の『販社』じゃないぞ。『反社会的勢力』の『反社』だ」
「いつもゆうてるが、言葉を安易に短うするのは止めんかい!」
「販売会社の『販社だって、短くしてるだろうに」
「ああ、それはええねん。もう辞書にも載ってる言葉やさかいにな」
「じゃあ、云い直そう。君は、『反社』になったんだな」
「こりゃあ!ええ加減なことぬかすと、どついたるでえ!」


「ほら、やっぱり『反社』だ」
「ほな、ワテと距離を置くんかいな?」
「残念だが仕方あるまい」
「『社会的距離』を置く云うんか?」
「『社会的距離』どころか、君とボクとは今、何キロも離れたところに住んでいるではないか。まあ、3ヶ月に1回くらい会ってはいるが、今はそれも自粛だな。共に老人だから、気を付けないとな」
「『社会的距離』どころか、やてえ。何やその『社会的距離』っちゅうんは?」
「君ともあろうものが『社会的距離』を知らぬはずがないだろうに。『Social Distance』のことではないか」
「そないなこと、知ってまんがな。せやのうて、『Social Distance』のどこが、『社会的距離』やねん、云うてんのや!」
「はああ?」
「『社会的』っちゅうのは、どないな意味やねん?」
「うーん…他人(ヒト)との間の距離のことだ。2mは空けろ、と云うことだな」
「それの何が『社会的』やねん?!」
「いやまあ、そのお…」
「ほれみい。『Social Distance』のことを『社会的距離』と訳すのは、おかしいやないけ!スカタンどもは、『Social』とつくと何でもかんでも『社会的』と訳すんや。『Social』には、『他人との関係にあって』、とか、『他人との親睦』というか『他人との交り』といった意味合いもあんんねん。せやのに、『社会的距離』なんて、意味不明やで」
「まあ、それはそうだなあ。『Social Distance』の『Social』は、確かに『他人との関係を持つにあたって』くらいの意味合いであるなあ」
「おお、それでこそ、OK牧場大学の大学院修了のフランス文学修士や」
「君こそ、さすがだ。『社会的距離』を問題と捉えるなんてな。『Social Distance』って、ただ『他人との距離』って云えばいいのだ
「おお、そやそや。ワテもそう思うで」
「ところで、君は、『Social Distance』を保っているのか?」
「守るも守らんもないでえ。ワテは家で自主隔離中なんや」
「しかし、君には重大任務があり、家の外に出ているだろう」
「え?」


(続く)


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