(【給付金】もう、手を挙げた![前編]の続き)
「監視カメラさ。国は、もう国中に監視カメラを設置していてな、それでボクが手を挙げたことは確認済のはずなんだ」
ビーエル・トンミー氏のiPhone X に、友人のエヴァンジェリスト氏が、iMessageで、まさかの情報をもたらした。
「なんだと!?監視カメラあ?」
「そうだ。監視カメラでボクが手を挙げたことは確認済だから、ボクはもう給付金をもらえるんだ。しかし、君は、大丈夫か?」
「何が、大丈夫か、なんだ?」
「君が、『秘密基地』と呼ぶ君の部屋で一人、夜な夜なしていることも監視カメラに撮られているんだぞ」
「ええ!ほ、ほ、本当か!?」
「ああ、MacにインストールしたWindowsでエロ画像を見ていることもばれているぞ」
「まさか!?」
「君が、奥様にばれぬよう、エロ画像をWindowsの『Chromeのシークレット・ウィンドウ』でを見ているところも監視カメラはとっくに録画済だ」
「そ、そ、そこまでばれているのか!」
「そうだ」
「どうしたらいいのだ?」
「手を挙げぬことだな。手を挙げると、君の秘密は公表されるだろう」
「わ、わ、分った。手を挙げぬようにする。10万円は惜しいが…」
「まあ、焦るな。もう一つ手がある。寄付だ」
「寄付?」
「そう、寄付だ。10万円もらっても寄付をすれば、公表は免れるだろう」
「おお、そうなのか。では、どこに寄付すればいいのか?」
「ボクが、『エッセンシャル・ワーカー』である『スーパー・マン』の為の支援基金を作るから、そこに寄付をするんだ」
「おお、分った、分った!寄付をしようとも!」
iPhone X を持つビエール・トンミー氏の手が震えていた。
(おしまい)
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