「あなたって、見かけによらず大胆なのね」
社内のエレベーター・ホールで、『マダム・トンミーとなる前のマダム・トンミー』は、同僚のトシ代からそう云われた。2人は、会社の女性社員の憧れの的であるビエール・トンミー氏と人事総務部の古株女性社員『お局様』との噂話から発展して、ラブホテルのベッドでスルことについて話し、マダム・トンミーは、その『行為』に興奮し始めたのだ。
「うふっ…ふっ…私、こう見えても強いの!」
と云うと、マダム・トンミーは、右腕で力瘤を作って見せた。
「まあ!」
「トシ代さんもベッドの上でしてらしたのね」
「え?そりゃ、普通、ベッドの上でしょ。布団の上ですることもあるけど」
「ええ、布団でもいいわね。でも、ベッドの方がスプリングが効いてて、暴れても平気でいいわ」
「まあまあまああ!あなた、そんなに暴れるの?!普段は、大人しそうなのに」
「そう、ベッドの上では、私、別人よ!」
「アタシ、あなた相手だと負けちゃいそう…」
「バックの取り合いも負けないわよ!」
「ひゃっ!バックですって?アタシは、バック取られる方が好きだけど…んまあ、何、云わせるの。恥ずかしいわ!」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿