2020年11月23日月曜日

バスローブの男[その25]

 


「まあ!」


マーケティング部の女性社員たちが、部内に吹いてきた一陣の風が来た方に顔を向け、一斉に声を上げた。


「ああ、君かあ」


『マダム・トンミーとなる前のマダム・トンミー』の肩に両手を置いたまま、マーケティング部の部長が、そう云った。


「失礼します!」


入ってきた『風』は……


『原宿の凶器』!」


女性社員たちが揃って、小声だが叫び声を上げた。


「トンミー君、こっちに来たまえ」


マーケティング部の部長が、手招きし、マダム・トンミーの横に立った。




「(はっ!)」


『風』が、今度は、マダム・トンミーだけを襲った。


「(な、何?)」



(続く)



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