「まあ!」
マーケティング部の女性社員たちが、部内に吹いてきた一陣の風が来た方に顔を向け、一斉に声を上げた。
「ああ、君かあ」
『マダム・トンミーとなる前のマダム・トンミー』の肩に両手を置いたまま、マーケティング部の部長が、そう云った。
「失礼します!」
入ってきた『風』は……
「『原宿の凶器』!」
女性社員たちが揃って、小声だが叫び声を上げた。
「トンミー君、こっちに来たまえ」
マーケティング部の部長が、手招きし、マダム・トンミーの横に立った。
「(はっ!)」
『風』が、今度は、マダム・トンミーだけを襲った。
「(な、何?)」
(続く)
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