「(あれは、年末調整か何かの書類の確認をしていただけだわ、きっと…)」
と思うことで、マダム・トンミーは、脳裡からアノ映像を消そうとしたが…
「(あの人、『お局様』の脚を見てたわ)」
社内のエレベーター・ホールで、『お局様』と夫(当時は、結婚前で、まだ夫ではなかったが)が、2人で話しているところを見かけたことがあったのだ。
「(そりゃ、あんな格好していると、殿方の眼は、どうしても向いてしまうわ。あの人だって…)」
『お局様』は、網タイツを履いていたのだ。
「(それに、あの時、『お局様』が書類を落としたのも、きっと態とだわ!)」
『お局様』が、夫と話している最中に、手にしていた書類を落とし、上半身を前傾させながら、それを拾ったのだ。
「(丸見えだったわ、絶対!だって、あんなに胸の開いたブラウスを着ているんだもの!)」
夫は、いや後に夫となる男の視線は当然のように、『お局様』の胸の谷間に落ちていた。
「んぐっ!」
夫の体のどこかに『異変』が生じたのを本能的に感じ取った。
「(『お局様』も…)」
(続く)
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