【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男［その48］

 

＜注意＞

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。

西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。

長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。

［宇宙服着てスーパーに行くGクラス（続き４）］

「さっきも説明したようにやなあ、『Gクラス』の『G』は、『ゲレンデヴァーゲン』（Geländewagen）の頭文字や」

ビエール・トンミー先生は、ベンツの『Gクラス』の『G』の語源の説明を、生徒エヴァンジェリスト氏にiMessageで続ける。

「『ゲレンデ』（Gelände）、つまり『山野』の、『ヴァーゲン』（Wagen ）、つまり『クルマ」やな。山野を走るクルマや。要するに、『オフローダー』なんや」

「へっ？『Gクラス』って、お風呂を搭載したクルマなんですかあ？」

「はいはいはいはい….そうくると思うてましたがな。どこぞに風呂を搭載したクルマなんかあるねん！？」

「いえ、どこかでキャンピングカーにお風呂を作った人がいる、って見たか聞いたかしたことがあります」

「そのクルマはベンツなんかいな？」

「個別の事項に関するコメントは差し控えさせて頂きます」

「ワレ、ええ加減、どつくでえ！ベンツが、風呂付きのクルマなんか作る訳ないやろがあ！」

「先生、お言葉を返すようですが、ベンツともあろう会社が、鹿や猪でもあるまいし、山野を走るクルマを作るのも変だと思いますよ」

「おお、ええとこついて来たやんけ。そやねん、ベンツが、『Gクラス』作ったんはやなあ、ま、正確には、『Gクラス』の前身の『ゲレンデヴァーゲン』（Geländewagen）をちゅうクルマを作ったんは、一般向けにやないねん」

「は？変態向けなんですか？」

「ドアホが…ちゅうとこやねんけど、結果としてまあ、外れてもおらんで。『変態向け』は、云い過ぎやが、『ゲレンデヴァーゲン』（Geländewagen）はな、普通のクルマではのうて、元々は軍用車だったあ、云われてんねん」

「ええー！『ゲレンデヴァーゲン』は、ヒトラー用に作られたんですかあ！？」

「ちゃう、ちゃう。でもな、ベンツがナチスに加担したんは事実で、ベンツ工場では、強制労働もあったし、武器も作っていたんや」

「おお、なんということか！」

「でも、『メルセデス-ベンツ博物館』では、その黒歴史がちゃんと明かされてとんねん。そこが、ベンツの偉いとこや。非は非として認めとんのや」

「自らが変態であることを認める先生の潔さに通じるところがありますね！」

（続く）