【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男［その57］

 

＜注意＞

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。

西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。

長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。

［トランクを忘れた寅さんなAクラス・Bクラス（続き３）］

「ええ、そうなんです。クルマの後ろが、開いて荷物も一杯積めそうだし、格好良くて便利そうなクルマだと思ったものの、でも、疑問も生じたんです」

生徒エヴァンジェリスト氏は、ベンツの『Aクラス』、『Bクラス』に関連して『ハッチバック』車について疑問を持ったことをiMessageでビエール・トンミー先生に告げた、

「なんや、疑問て？」

「これって、『バン』じゃないのか、と思ったんです。どこか格好良くて、『バン』ではないように見えましたが、でも、クルマの後ろが開いて荷物も一杯積めるって、『バン』じゃないかと思ったんです」

「おお、なるほどな疑問やな」

「更に疑問は膨らみました。いえ、膨らんだのは、アソコではありませんよ」

「アホか。やけど、なんだか大袈裟やな。なんちゅう疑問や？」

「『ワゴン』ってありますよね。でも、手押し車の『ワゴン』じゃありませんよ」

「そりゃ、分るがいな。クルマの話ししてんやからな。あんさんがいう『ワゴン』は、『ステーションワゴン』やな」

「え？そう云えば、『ステーションワゴン』って言葉も聞いたことがありますが、『ワゴン』とどう違うんですか？ステータスが高い『ワゴン』のことを『ステーションワゴン』と呼ぶような、なんだかそんな感じで捉えていましたが」

「まあ、『ワゴン』にも、『トールワゴン』とか『ミニバン』とかあるけど、あんさんが云うてる『ワゴン』は、『ステーションワゴン』のことやと思うで」

「ああ、もう頭の中がグチャグチャです。『ハッチバック』、『バン』、『ワゴン』、『ステーションワゴン』…『ワゴン』なのに『ミニバン』？ああ、ああ、ああ！」

「相当混乱してきたようやな」

「なんだかよく分りませんが、『ハッチバック』にせよ、『バン』にせよ、『ワゴン』にせよ、クルマの後ろが開いて荷物が積めるクルマじゃないんですか！」

「まあ、それはそやねんけどな」

（続く）