2021年4月9日金曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その53]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[宇宙服着てスーパーに行くGクラス(続き9)]



「しかし、『Sクラス』以上かもしれぬ、とまで先生に云わしめる『Gクラス』って、どんな人が乗るんでしょうか?」


生徒エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生に、iMessageで『Gクラス』に関する質問をする。『Gクラス』は『Sクラス』以上のステータスがあるとも云え、先生ですら、Gクラス』とすれ違う時も『Sクラス』に対するのと同じように、そっと目ェを伏せる、と聞いたからである。


「おお、ええ質問や。『Gクラス』はな、芸能人やスポーツ選手御用達や」

「ああ、そういうことですか」

「確か、木村拓哉、明石家さんま、タモリ、松島菜々子、市川海老蔵、滝沢秀明、キングカズ、今、話題の田中将大もニューヨークで乗っるそうや。海外ではブラッド・ピット、アーノルド・シュワルツネッガー、マライア・キャリー、なんかや。あと、日本も海外もギョウサン名前出てたが、ワテはゲーノー界は苦手やからよー分らんわ。あ、もう一人いたで。ローマ教皇や!」

「なるほどお。そうだ、先生、『Gクラス』にお乗り換え下さい!」

「アホ、何云うねん」

「先生は、『住込み浪人』ながら『テイトー王』でスターにおなりになったのですから、先生も『Gクラス』にお乗りになって、なんら不思議ではないと思います」

「やめんかい!『住込み浪人』とか『テイトー王』とか、『プロの旅人』でのあんさんの妄想やないけ。それにな、『Gクラス』はデカ過ぎるんや。これでスーパー行くのは辛いで。イトーヨーカドーはセレブ向けスーパーちゃうやんか」

「先生、お買い物は、イトーヨーカドーではなく、紀ノ国屋になさって下さい」

「おお、確かに、ワテに相応しいスーパーは、紀ノ国屋か明治屋かもしれへんな。かろうじて成城石井ちゅうトコやろか」

「そうです。『Gクラス』に乗って、紀ノ国屋か明治屋にいらして下さい」

「せやけどワテのマイスーパーはイトーヨーカドーXXXX店、東急ストアXXX店、東急百貨店XXX店食品売り場の3ヶ所なんや。何しろ、ワテの家に近いさかいにな」

「XXXって何ですか?」

「ワテにかてプライバシーちゅうもんがあんのやで」

「先生クラスになると、公人同然で、プライバシーはないと思いますが」

「いや、ワテはひっそり暮らしたいねん。一般人でいたいねん。せやから、『Gクラス』は、特殊なクルマで、そないなんは、一般人のワテには似合わんのや。『Gクラス』乗って高級スーパー行くんはやな、例えて云うたら、宇宙服着てスーパー行くようなもんや」




「おお、なるほど!なんと的確な例えでしょうか!」

「これがフェラーリなら舞台衣装着て街歩くようなもんやけどな。『Sクラス』は富豪向け、『Cクラス』はプアマンズSクラス。ワテには『Eクラス』が一番合ってんのや」

「先生は、一般人ではないでしょうに。ええ、世界的変態ではありませんか。しかし、奇を衒わないのが粋というものですね。先生は、さすがです。私は、もし運転免許を持ち、腐る程に金を持っていたら、『Gクラス』を買って乗ります」

「勝手にしいや。ワテは、ベンツのセダンがええねん。『Gクラス』は別格やけど、セダンではないベンツはベンツとは認めへんで。セダンではないんは、もう云うたようにやな、トランクのないベンツや」



(続く)




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