2021年4月24日土曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その68]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[トランクを忘れた寅さんなAクラス・Bクラス(続き14)]



「シンガポール航空は、その豪華さやサービスの良さや洗練さで知られとるやろ。その点、ベンツと同じやで」


ビエール・トンミー先生は、ベンツの『Aクラス』のセダンについて、生徒エヴァンジェリスト氏にiMessageで講ずるにあたり、シンガポール航空を引き合いに出していた。


「普通の航空会社では、ファースト・クラスやビジネス・クラスが豪華で洗練されとるんが当り前やが、シンガポール航空はエコノミーでも洗練されとるんや。その証の一つが、さっき云うたエコノミー客へもワインのフルボトルなんや。せやからエコノミー客でも『あの有名なシンガポール航空に乗ったで』と満足するんや。大事なんは、エコノミー客はハナからファーストやビジネスを考えとらんことや」

「ああ、『Economy Class』を『Eクラス』と勘違いされたのではなく、『E(conomy)Class』なのに『Eクラス』ってことですね!」

「上手い!あんさん、ダテに文学修士やってんのとちゃうなあ。まさにアンタの云う通りなんや。エコノミー・クラスやのに、他の航空会社と違うて、シンガポール航空では、ワインのフルボトルを出してくれたちゅうことで、『ワテはシンガポール航空に乗ったで』と満足させられるんや」

「しかし、先生は、それだけでは満足なさらなかったんですはないですか?」

「おいおい、今度は何、云い出そうとしてんねんや?」

「そのワインのフルボトルをワイングラスに注ぐのに、『ネエちゃん、ワテの隣に座って注いでえな』と我儘を仰ったのではありませんか?」

「アホか!そねいなことする訳ないやろ。あんさんかて、さっき、『シンガポール航空は、ピンサロではない』と云うたやろ」

「いえ、ピンサロなら、先生ももっとご満足されるサービスがあるのではありませんか?」

「え?そうなんか?...あ、いや、そやない。ピンサロやなかったら、ラウンジでもキャバクラでもなんでもエエが、シンガポール航空は、真面目な一流の航空会社やで、そんなサービスある訳ないやないか」




「しかし、先生は、欲望を抑えきれなくなったのではありませんか、CAのサロンケバヤ』に」

「そりゃ、まあ、欲望は確かに….おっと、何、云わすねん。そねなことないで。第一、隣の席には女房が座っとったんやで。女房とモルジブでタイピングしに行った時に乗ったんや。モルジブまで直行便がないさかい、JALでシンガポールまで行って、シンガポールからモルジブ間がシンガポール航空やったんや。やさかい、隣にはいつも女房がいたんや

「おお、それは残念でした」

「ああ、残…ちゃうちゃう!」



(続く)



0 件のコメント:

コメントを投稿