<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
[宇宙服着てスーパーに行くGクラス(続き7)]
「おお、アンタ、まだ『Gクラス』見たことないんやったな。これやで」
ビエール・トンミー先生は、ベンツの『Gクラス』の写真を、生徒エヴァンジェリスト氏にiMessageで送付した。
「なんですかあ、これはあ!?」
「何、そないに驚くねん?」
「これ、ジープじゃないですか!」
「まあ、アンタの疑問は誠に正しいで。もう説明したように、『Gクラス』の前身の『ゲレンデヴァーゲン』(Geländewagen)は、軍用車にも使われるような『オフローダー』で一般向けに作られたクルマやないさかいに、デザインは無骨そのものや」
「だからあ、これ、ジープじゃないですか!」
「まあ、待てえや。一般向けに作られたクルマやないさかいに、デザインには気い使わんで、フロントガラスは真っ平ら、タイヤを囲むフェンダーは丸出しやし、車内に乗込む為のステップまで付いてんねん」
「要するに、これ、ジープじゃないですか!」
「ああ、そや、ジープも元々は軍用車や。軍用車みたいにデザインに気い使わん本来の『オフローダー』は、どれもこれもこないなデザインになんねん」
「やっぱりジープだ」
「ちゃう、ちゃう。『Gクラス』は、『ゲレンデヴァーゲン』(Geländewagen)を民生用に作り直したもんなんや。『ゲレンデヴァーゲン』(Geländewagen)は、一般にも人気があって『こないに売れるなら豪華版作ったろ』として『Gクラス』を作ったんやが、デザインも性能も、本来の『オフローダー』のままなんやで」
「でも、シープと同じでしょ?」
「この無骨なデザインは普遍。最近、フルモデルチェンジして全部再設計されたんやが、形は20年前と殆ど変わらん。無骨で不変なのに、豪華かつオフロード性能は軍用車譲り、ちゅうのが人気なんや」
「結局、ジープの真似なんでしょ?」
「あんな、今のジープは、軍用車だった頃のジープとは全くの別物やで。フロントグリルのデザインだけ軍用車のジープを真似た軟弱なクルマやで、ワシに云わしたらな。ま、『何ちゃってジープ』やな。せやから。同じ軍用車がルーツとはいえ、「真剣度」が全然チャウんや」
(続く)
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