<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
[サイボーグなAMG(続き13)]
「ええ、先生は、両手に花、そう両手に女性を抱える時もおありでしょうからね」
生徒エヴァンジェリスト氏は、如何にも意味ありげに、iMessageでそう云った。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ベンツに深く関係する『AMG』ついてのものとなっていたが、先生の『Eクラス』が『AMGライン』で、更に、『エクスクルーシブパッケージ』というオプションをつけていることから、そのオプションの便利機能『自動開閉トランクリッド』に関連して、『フットトランクオープナー』についてのやり取りとなっていた。
「まあ、昔はな。……でも、なんで両手に女性を抱えた状態でトランク開けなならんのや」
「それは、奥様から女性たちをトランクに隠す為でしょう。その為には、『自動開閉トランクリッド』は、確かに便利でしょうね」
「あんな、『両手に花』は、結婚前の話や。結婚してからは、家内ヒトスジやで。女をクルマのトランクに隠す必要なんかあらへん」
「へええ、そうなんですか。ふふ」
「なんや、また妙な含み笑いするやないか」
「だって、一時期、熱心に西洋美術史のオープン・カレッジにお通いでしたので。講師は、博士号を持つ美人講師でしたよね。教室では、その美人講師の唾を受け止めることのできる最前列の席を狙って、かなり早めに母校のハンカチ大学までいらしたのではありませんでしたか?」
「え!...いや、ワテが西洋美術史の講座に通うたんは、純粋に学問追求の為や」
「その美人講師が、カルチャーセンターで開いた講座にもお通いでしたよね。そこまで行くのに、気持ちがはやって、ベンツを飛ばし過ぎ、スピード違反で検挙されたのではありませんでしたか?」
「お、それはちゃうで。スピード違反で捕まったんは、別の時や。おお、せや、せや。『エクスクルーシブパッケージ』で便利なんは、『自動開閉トランクリッド』だけやのうて、『ヘッドアップディスプレイ』も便利やでえ。特に、スピード違反対策にな」
「話を変えて、誤魔化そうとされているんですね」
「まあ、聞いな。『ヘッドアップディスプレイ』は、必需品でっせ」
「『ヘッドアップディスプレイ』って何なんですか?」
「フロントウインドウにやな、速度や方向指示を出してくれる機能なんや。この前スピード違反でお縄頂戴してからはディスプレイに表示される制限速度と自分の出したスピードが+10Kmにならんように気を付けてまんねん。お縄頂戴してよー分かったのは、皆さんよーく制限速度を守ってはるちゅうことでんなあ」
「私、自分の知り合いが、本当に縄で縛られて法廷に出てきて、そして、刑務官に引っ張られるようにして退廷して行くとこを見たことがあります。先生のそのような姿は見たくありません」
「この前長い下り坂の直線道路で、『ネズミ取り』やってたで。ワテは、『ヘッドアップディスプレイ』のおかげで助かりましてん」
「小菅の面会室のガラス越しに先生と話したくありません」
「差し入れを頼みまっせ」
「松坂慶子のヌード写真集で宜しいでしょうか?」
「内田有紀様のヌード写真を是非探してぇや….おっと、また妙な話になってんやんか。『エクスクルーシブパッケージ』の説明してんやないか。『エクスクルーシブパッケージ』には、他にも便利機能があんねんで」
「ああ、またオゲレツ機能なんでしょう」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿