【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男［その106］

 

＜注意＞

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。

西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。

長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。

［サイボーグなAMG（続き）］

「ほら、また来よったで。アンタ、さっき、ちゃんと『アーマーゲー』云うたやないか。それをなんで今更、云い間違えんのや。態とらしいで」

ビエール・トンミー先生は、またもや話を反らせようとしているように見えた生徒エヴァンジェリスト氏に呆れる。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、『Vクラス』を終え、『AMG』に関するものとなるところであった。

「いえ、先生、云い間違えているのではなく、『アーメーマー』ではないんですよね？と申し上げたのです」

「エエか、ワテは訊かへんで、『アーメーマー』て何か」

「そうです、そうです。そんなことより、早く『AMG』についてお教え下さい」

「なんやて。いつもアンタが、明竹林なこと云うて、話が逸れるんやないか。『AMG』はな、元々は『チューニング・メーカー』や」

「え？そうだったんですか？」

「アンタ、『チューニング・メーカー』知ってんのか？」

「興味はないので、よくは知りませんが、『ロッテ』とか、そう、昔だったら、『ハリス』なんかでしょうか？」

「『ハリス』？」

「『ハリスの旋風』の『ハリス』ですよ」

「もう『国松』はやめんかい。それにしても『ロッテ』が自動車事業まで手掛けてたとは知らんかったで」

「え？『ロッテ』が自動車事業まで手掛けてたんですか？」

「アンタがそう云うたんやんけ」

「そうは申し上げてませんが、そう云えば、プロ野球の『千葉ロッテマリーンズ』が本拠地のZOZOマリンスタジアムで主催する公式戦で、『リリーフ・カー』としてベンツの『S560カブリオレ』を使用するとは聞いたことがあります」

「何や、『リリーフ・カー』て？」

「ああ、先生は、野球のことはご存じありませんでしたね。プロ野球で、リリーフ投手をマウンドまで乗せてくるクルマのことを『リリーフ・カー』というんです」

「ほう、その『リリーフ・カー』は、『ロッテ』がチューニングしたちゅうことやな」

「先生、何を寝ぼけたことを仰ってるんですか」

（続く）