【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男［その122］

 

＜注意＞

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。

西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。

長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。

［大王イカなAMG GT］

「え？『GT』？」

と、ビエール・トンミー先生が口を開けた様子は、iMeesageでも読み取れたであろう。ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ベンツのブランドの一つ『AMG』ついてのものとなり、先生が、『AMG』が憧れの存在であることを認めつつも、『AMG』の『Cクラス』等については否定的な見解を語っていたところ、エヴァンジェリスト氏が、突然、『GT』と言う言葉を持ち出してきたのであった。

「はい、『GT』です。私、『スーパー・マン』として、スーパーの駐車場でカートの整理をしていた時に、『AMG GT53』だったか『AMG GT63』だったか、『Eクラス』でも『Sクラス』でも、『Aクラス』、『Bクラス』、『Gクラス』、『Mクラス』、『Vクラス』でもないベンツを見たんです。でも、『AMG』とあったのは確かです。何なんですか？何クラスなんですか、『GT』って？」

「なんやて！『AMG GT63』の実働車を見たやて！　しかも、スーパーの駐車場でかあ？！ワテは、ヤナセの展示車しか見たことないで。ワテ、欲しいわあ。夢のクルマやで。何でアンタが実働車見るんや！ワテかて見たことないのやで」

「先生、ま、まあ、そんなに興奮なさらないで。落ち着いて下さい」

「謎なんは、何で、わざわざ『AMG GT 』に乗ってスーパーなんかに行くんや」

「先生、それはいけません。スーパーなんか、だなんて」

「そういう人は、つまり、『AMG GT』に乗るような人はや、普通は、クルマを複数台持っていて、スーパーなんかは、セカンドカー（例えば、『Cクラス』やな）で行くもんやで」

「先生、また、ダメですよ、スーパーなんか、だなんて。先生って、ひょっとして、『スーパー・マン』の時給が東京都の最低賃金である1,013円であることから、スーパーを見下していらっしゃるのではありませんか」

「何、云うてんねん。そないなことあるかいな。アンタ、普段はオゲレツやけど、『スーパー・マン』に変身した時のアンタは、尊敬しとるんや。ああ、アンタは、『エッセンシャル・ワーカー』や。間違うんやないで。アンタのこと、シャンプー作りの職人や、と思うとりはせんで」

（参照：【緊急報告】『スーパー・マン』は、『スーパーマン』か！？［前編］）

（参照：【緊急報告】『スーパー・マン』は、『スーパーマン』か！？［後編］）

「先生、『エッセンシャル・ワーカー』を馬鹿にしていませんか？私、現役のサラリーマン時代、今の『スーパー・マン』よりもはるかに高い収入を得ていました。3倍、4倍、いえ、それ以上だったと思います。しかし、今、それが妥当だったのか、と自問します。その収入に値するだけの仕事をしていたのか、と思います。世の中に本当に必要な仕事だったのか、と」

「ああ、『ブルシット・ジョブ（Bullshit job）』やな。しかし、それ云われると、ワテも辛いで。ワテの現役時代の仕事も何やったんやろ、とな。今のワテの仕事（西洋美術史の研究）も、ホンマに世に必要なもんなんか、と思うてまうで」

「は？仕事？西洋美術史の研究が、仕事？『インモー』の研究が、仕事ですか？やはり、私を馬鹿にしていらっしゃいませんか？」

「アンタは、普段は、そうや、オゲレツなBlogを書いとるアンタは、『ブル（Bull=牛）シット（shit=糞）』な奴やが、世界の為に働く『スーパー・マン』としてのアンタは尊敬してるんやで」

「何だか誤魔化されているような気もしますが…それに、私、午年（うまどし）ですから（同級生の先生もそうでいらっしゃいますが）、『ブル（Bull=牛）シット（shit=糞）』ではなく、云うなら、『ホース（Horse=馬）シット（shit=糞）』かと思います」

「けど、『ブルシット・ジョブ（Bullshit job）』云々（でんでん、じゃないで）とスーパーに『AMG GT』で行くことの是非は別やで。物事には、所謂、TPOちゅうもんがあるんや」

（続く）