「(まあ、アイツは、ボケをかましてきたつもりだろうが、そのボケに『名前』の隙があることに気づいてないようだ。ふふ)」
と、ビエール・トンミー氏は、一旦、膨らませた鼻腔を窄め、北叟笑んだ。
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「アンタなあ、『鉄の女』、つまり、『サッチャー』で、それも『さっちゃん』やと云いたいんやろが、そうはいかへんで」
「いや、ワシ、『鉄の女』にゃあ、興味ないけえ。『鉄の爪』こと『フリッツフォン・エリック』なら、懐かしい思うがのお」
「なんや、その『エリック』ちゅうんは。耳を動かす『E.H.エリック』の兄弟かなんか知らへんが、困るとまた話を逸らそうとすんねんな。そうはいかへんで」
「『E.H.エリック』の兄弟は、『岡田真澄』じゃろうがあ。『ファンファン』よおね。アンタ、牛田中学で、『ファンファン』と呼ぼれとったんじゃあないん?」
「更に訳の分からんこと云いよるなあ」
「少女『トシエ』じゃないねえ」
(参照:【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方[その286])
「どこで、その情報仕入れたんか知らへんが、話、戻すで」
「『フリッツフォン・エリック』の『アイアン・クロー』のこと、話したいんじゃが…」
「ええか、『鉄の女』の『サッチャー』の『サッチャー』は姓で、彼女の名前は、『マーガレット』やさかい、『さっちゃん』にはならへんのや。『マーガレット』の愛称は、『マギー』とか『マッジ』とか『ペギー』とかになんねん」
「ええー!マジ?!」
「くだらんダジャレはやめれ」
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「(アイツ、本当に文学修士なのか?!仮にも文学を志したことがあり、しかも、修士号まで得た男とは思えん言語感覚だ!)」
と、ビエール・トンミー氏は、エヴァンジェリスト氏が友人であることを恥じた。
(続く)
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