「(いや?ボクは何故、高知とか地方都市のことで怒っているんだ?)」
と、我に返ったビエール・トンミー氏にiPhone 14 Proには、友人エヴァンジェリスト氏から、求めもしない高知に関する続報iMessageが届いた。
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「ワシ、高知には、何回も行ったことあるんじゃが、正直なところ、高知の最初の印象は、『な~んにもないところ』じゃった。ろくなホテルもなく、困ったもんじゃった。矢鱈、『龍馬』、『龍馬』となっとる町、いう感じじゃったし、それは今でもそうかもしれんのお。でものお、今は、ええホテルが幾つもあるし、よう知ったら、味わいのあるええ街じゃがのお」
「ワテは、ただ皿鉢料理でカツオのタタキを食べたことと、高知から松山までバスで行った時、途中の四国山地を越えるとき雪景色で、『四国にも雪が降るんや』と思ったことは覚えとるで。後から聞いたら、四国山地はよく雪が降るんやてな」
「そう、四国山地は、結構、雪降るんよ。ところで、アンタ、噂の『はりまや橋』は、見んかったん?行かんかったん?」
「何が、『噂』やねん?誰が、どないな『噂』してんのや?なんか勿体つけた云い方しよんねんなあ。けどまあ、エエわ。『はりまや橋』は、多分、見たと思うで。『はりまや橋』の記憶はあらへんが、『何でこんなに小さな橋が』という記憶はあるから、多分、見たんやろな」
「ふん!『多分、見たんやろな』かいね」
「記憶がはっきりせんさかい、多分、云うただけやがな」
「簪を買うたんじゃろがねえ」
「なんや、難しい漢字使うやないか。『簪』は、『かんざし』かいな。こっちこそ、『ふん!』やで。『♩とさ~のお、こーちーのお、はりま~やあば~しで、ぼおさ~ん、かんんざ~し、かうをおみいたあ』、と云いたいんやろ」
「おお、アンタ、唄うん上手いのお」
「ふん!音声メッセージで送ってへんのに、アンタ、ワテの唄、聞こえんのか?!なんで、『南国土佐を後にして』いうか、『よさこい節』を唄わなあかんねん」
「そりゃ、アンタ、『ジュンシン』じゃけえ」
「え?!」
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「(そりゃ、驚くだろう。アイツ、ボクのことを『純真』だなんて。ボクの正体を知ってるくせに)」
と、ビエール・トンミー氏は、眼の前にない鏡に自らの姿を映し、その醜さに両眼を閉じた。
(続く)
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