「(ん?いや、待てよ。アイツ、『純真』ではなく、『ジュンシン』と云ってきたな。おかしいぞ?)」
と、ビエール・トンミー氏は、自らの醜さを恥じ、閉じていた両眼を開いた。
そこに、アイツこと、友人のエヴァンジェリスト氏が、更に怪しい言葉をiMessageで送ってきた。
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「相手は、『馬』じゃったんじゃろ?」
「アンタ、何、云いたいんや?訳分らんで。『馬』が、何の『相手』や?なんか、オゲレツの臭いがするで」
「妙な想像しとるんじゃなかろうねえ」
「やから、妙な想像て、どないな想像なんや?」
「いや、オゲレツなこと云うとるんじゃないんよ。何しろ、アンタ、『ジュンシン』じゃけえ」
「おお、そこや、なんか怪しいんは。『純真』やのうて『ジュンシン』とカタカナにしとるところに罠があるんやろ」
「あ、すまん、すまん。変換ミスじゃ。『ジュンシン』は、『純信』よおね」
「なんや、その『純信』て?」
「あれ、知らんのん?『よさこい節』で、簪買うた『坊さん』のことじゃないね」
「ああ、『♩ぼおさ~ん、かんんざ~し、かうをおみいたあ』の『ぼおさ~ん』が、『純信』いうんか?」
「そうよね、と、云いたいところなんじゃが、本当は、『純信』じゃのうて、『慶全』じゃったんじゃ、いう説もあるんじゃと」
「はああ?『純信』じゃのうて、『慶全』?ああ、もう、なんか訳分らへんで。どうでもエエことや思うけど、なんか気持ち悪いさかい、ちゃんと説明しい」
「ほうかね。じゃあ、先ず、『お馬』じゃ。17歳の娘さんじゃったんよ」
「ああ、『相手が「馬」』云うた『馬』は、17歳の娘のことか」
「で、『慶全』は、若い修行僧なんよ。その『慶全』と『お馬』が最初、恋仲になったんじゃが、その内に、『お馬』は、『慶全』の師で住職の『純信』を好きになって、『純信』の方も『お馬』を好きになったんよ。『純信』は、37歳じゃけえ、『お馬』の方が20歳も若いんよ。まさに、アンタじゃ。若い娘好きじゃろ?」
「う…まあ、それは否定できひんなあ」
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「(ああ、ボクは、若い娘が好きだ。20歳下ではないが、家内は、10歳下の若くて可愛い娘だった)」
と、ビエール・トンミー氏は、同じ会社のマーケティング部に行った時に初めて会った可憐な女性(今の妻だ)の姿を思い出した。
(続く)
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