「(あの女のことで、アイツ、まさかあんな馬鹿なことを思いつくとは思わなかった…)」
と、19歳の年のことを思い出したビエール・トンミー氏は、友人エヴァンジェリスト氏を糾弾する為のiMessageを続けた。
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「『ふみ』や。『ふみ』やで。どや、覚えあるやろ?」
「ああ、『ふみや』かいねえ。まあ、『久留米』には何回も行ったことがあるけえね」
「『久留米』?」
「アンタ、福岡に住んどったことがあるけえ、知っとるじゃろ。福岡の『久留米』よおね。『東久留米』じゃないけえね。『東久留米』は、埼玉に近いが、東京都じゃけえね」
「福岡の『久留米』は知っとるが、『ふみ』が『久留米』におったことがあるとは聞いたことがないで。『石神井公園』の近くに住んどったはずじゃ。アンタ、学生時代、『上井草』の下宿に住んどったじゃろ。住所は、『下石神井』じゃけえ、『石神井公園』は、近くじゃ」
「ああ、アンタが、採りたての運転免許で、『ビートル』に乗ってきたものの、途中でスピード違反で捕まり、ワシの自宅前に駐車して、駐車違反という前科まで負うてしもうた懐かしの場所じゃね」
[参照]
【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?[その23]
【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?[その19]
「そないなことは、どうでもエエ。それより、なんで『ふみ』が、『石神井公園』やのうて『久留米』と関係あるんや?」
「なんでもかんでも、『ふみや』は、『久留米』で生れ育って、『久留米市立南筑高等学校』を卒業して、国鉄、今のJR九州じゃね、そこに就職したんじゃが、仲間と『久留米』でバンドを作って、『チェッカーズ』として売り出して行ったんじゃろうに」
「アンタ、誰の話しとるんや!?」
「じゃけえ、『ふみや』よおね。『藤井フミヤ』のこと知らんのん?」
「アホンダラ!誰が、『ふみや』云うたんや!?『ふみ』云うたんやで」
「ほいでも、iMessage見返しみんさい。『ふみ』や、云うとるけえ」
「『ふみ』や、であって、『ふみや』やあらへんやろ」
「おお、すまん、すまん。老眼のせいや。『ふみや』じゃのうて、『ふみ』なんじゃね。それなら分ったけえ」
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「(ふーっ…ホント、面倒臭い奴だ。アイツ、こうやって話をどんどん逸らしていくんだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、怒り以上に疲れで、両肩を落とした。
(続く)
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