「(アイツが『OK牧場大学』に入学し、自分独り、浪人を続けることになった時のボクの孤独感、アイツには分るまい)」
と、ビエール・トンミー氏は、両肩を落とし、『井荻』を出て行ったとの自分の姿を思い出し、今更再び、暗澹たる気持ちに襲われたその時、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏は、無邪気にも追い打ちをかけるiMessageを送ってきた。
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「アンタ、『井荻』からどこかに行っとったん?」
「『下関』」
「は?なんねえ?『下関』、云うて。単語だけ送ってくるなんて、ワシの娘と似とるのお。娘は昔、自分の部屋に虫がいたら、iMessageでワシに『虫』とだけ送って、ワシに虫退治しに来いと命令しとったけえ」
「ああ、『虫娘』に『奴隷オヤジ』やな」
「おお、そうかあ。アンタ、『井荻』から、当時、下関にいらしたアンタのご両親のところに逃亡したんじゃね?」
「『逃亡』、云うんやない!!!!!」
「おお、『!』5個じゃね。すまんかった。云い過ぎじゃった。冗談じゃけえ」
「ああ、ああ、せや。ワテは、『逃亡浪人』やったんや」
「え!アンタ、『住込み浪人』の前に『逃亡浪人』しとったん!?」
(参照:住込み浪人[その4])
「『住込み浪人』は、クダランBlogの『お話』に過ぎん。要するにや、ワテは、1974年は、『下関』におったんや。せやから、『モーツアルト』ちゅう広島の洋菓子屋ことなんか知らへんかったんや。….あ?でも、なんで『モーツアルト』なんや?なんで、『モーツアルト』のことから、ワテの黒歴史まで話さなならんねん?」
「アンタが、『モーツアルト』のこと云い出したんじゃねいねえ」
「え?なんでやろ?...あ、アンタや。アンタが、『鎌倉殿の13人』の『K13』の『K』を『ケッヘル』やない、とか云い出したんやないか!」
「でも、『モーツアルト』の名前は出しとらんし、『K』は『ケッヘル』じゃない、とちゃんと云うとるじゃないねえ」
「いや、そもそも『K13』を持ち出して来んでもエエんやないか!」
「ほいでも、アンタが、鎌倉時代にはまっとる、云うたけえよ」
「おお、そうや!ワテ、真面目に日本史を学んでて、今、鎌倉時代にはまっとってやな、名前の研究してんさかい、その成果のオモロイこと教えたろとしてたんやないか」
「ほうよねえ。なのに、アンタ、全然、オモロイこと教えてくれんねえ」
「なにいー!」
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「(他人を散々、振り回しておいたくせに!)」
と思いながらも、ビエール・トンミー氏は、そんな友人エヴァンジェリスト氏に振り回されている自分を恥じた。
(続く)
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